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[介護のいろは](3)多様なサービス どう選ぶ?

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  介護保険を利用するには、多様なサービスの中から何を選び、どんな頻度にするかをまとめた「ケアプラン」が必要になります。本人や家族でも作成できますが、複雑で手間もかかります。最初は専門職の「ケアマネジャー」に依頼しましょう。(辻阪光平)

ケアマネと「最適」探る

■依頼費負担なし

 「調子はいかがですか?」「うまくいってますよ」

 神戸市の女性(78)は、自宅を訪れたケアマネジャーの伊賀浩樹さん(56)にほほ笑んだ。

[介護のいろは](3)多様なサービス どう選ぶ?

 女性はパーキンソン病を患い、転びやすくなったため、約1年半前に知人を通じて伊賀さんに相談。ケアプラン作りを依頼した。

 介護保険の利用には、まず市町村に申請して「要介護認定」を受ける必要がある。「要介護1~5」の場合に、ケアマネへの依頼ができる。依頼の費用はかからない。

 ケアマネは本人の生活状況や家族の意向、経済的な事情を考慮してプランを検討する。

 伊賀さんは女性と3回面談。「要介護3」「毎日定期的に薬を飲む必要がある」「収入は年金頼み」「一人暮らしを続けたい」といった心身の状態や希望を聞き取った。

 そのうえで「訪問看護」と、ヘルパーらが朝晩や緊急時などに自宅に来る24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」の組み合わせを提案。1日に最低4回は服薬や体調の変化を確認してもらえるようにした。

 介護施設で入浴などを楽しめる「デイサービス」は週2回利用する。食事や掃除は介護保険ではなく、民間の配食サービスや家事支援ボランティアに支えてもらう――というプランを立てた=上の表=。

 女性は費用面を心配していたが、伊賀さんから「低所得者向けの負担軽減制度が使えます」と説明を受け、安心して提案に同意した。

 サービスが始まった後も、ケアマネは利用者を毎月訪ね、状況を確認。時にはプランを見直すこともある。

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 女性は昨年11月に食が細くなったため、伊賀さんの勧めで、介護施設に短期宿泊する「ショートステイ」を利用し、体調が回復した。女性は「困った時には、伊賀さんに何でも相談しています」と話す。

■希望を整理

 ケアマネの多くは「居宅介護支援事業所」に所属する。最寄りの事業所は、市町村の介護担当窓口や「地域包括支援センター」で確認できる。

 最適なプランを作ってもらうために、「自分がどんな生活をしたいかを考え、整理して伝えることが大切です」と伊賀さんはいう。持病の有無や治療状況はもちろん、職歴や趣味、若い頃からの生活環境も伝えておきたい。「ケアマネも利用者のことを理解しやすくなります」

[専門家に聞く]相性大事 複数に連絡を

  ケアマネジャーはどう選べばいいのか。NPO法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」(大阪市)事務局長、堀川世津子さん=写真=に聞いた。

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 最初から一つの居宅介護支援事業所に絞らず、2、3か所に「介護保険の利用は初めてなので、いろいろ教えてほしい」と連絡した方がいいでしょう。そのうえで、家族と一緒に各事業所のケアマネと会うことをお勧めします。相手との相性もあるからです。打ち解けた雰囲気で話せるか、確認してください。

 自宅と事業所の距離も重要です。近いほど、緊急時の素早い対応が期待できます。介護保険を利用している近所の人に、評判を聞くのも参考になります。

 ただ、要望を何でも受け入れてくれるケアマネがいいとは限りません。過剰な介助は本人の力を損ない、自立を妨げる恐れがあるからです。

 半年ほど関わってみて、「連絡がつきにくい」など対応に不安があれば、遠慮せず事業所に言って、別のケアマネを紹介してもらってください。事業所自体を替えるやり方もあります。

<疑問や思い 募集します>
 「介護のいろは」は毎月1回の掲載です。介護に関する疑問や今後読みたいテーマ、介護に抱く思いも募集しています。〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「介護のいろは」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。

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