いきいき快適生活
介護・シニア
座ったままタップダンス
上半身も使う全身運動 平衡感覚鍛える
椅子に座ったままでリズミカルにステップを踏み、上半身の運動も同時に行う「
「振り付けを間違えてもかまいません。元気よく、動きを止めないようにしましょう」。横浜市内で開かれた腰掛タップダンス教室で、インストラクターの
約1時間のレッスン中、映画音楽や歌謡曲など4曲(1曲約3分)を踊った。タップシューズからカチカチとリズミカルな音が響く。受講生らは楽しそうに体を動かし、すっきりとした表情を浮かべていた。
通常のタップダンスのようにテンポは速くない。高齢者でも十分についていける。ただし、上半身は腕を大きく動かす振り付けが多く、下半身のステップとの連動は意外に難しい。
このダンスは、どのような点が優れているのだろうか。
関西医科大学健康科学センター教授の木村穣さんは「座ったままで、いろいろな部位の筋肉を使うのが特徴。下半身が鍛えられます」と指摘する。爪先を床につける動きは、ふくらはぎの筋肉などが鍛えられる。かかとを床につける動きは、普段は意識して使うことがあまりないすねの筋肉などを使う。
もう一つの特徴は、上半身も使った全身運動になっている点。木村さんによると、バランス感覚が鍛えられ、転倒予防などの効果が期待できる。「足と上半身で異なる動きをするので脳機能の活性化にも好影響が期待できる。中高年の運動として理想的です」と話す。
腰掛タップダンスは、三洋電機元会長の
このダンスを広げるために、現在チーフインストラクターを務めている元宝塚歌劇団員の
鷹さんは「タップダンスの楽しさを味わいながら、心身の健康にも役立ちます。基本のステップを習得するだけでも楽しめますよ」と話す。
基本ステップ3種類
基本となるステップに〈1〉スタンプ〈2〉ボール〈3〉ヒールの三つがある。これらの動きを組み合わせて、自宅で楽しむことも可能だ。
〈1〉は太ももを上げる要領で足を持ち上げ、爪先とかかとを同時に下ろす。〈2〉も太ももを上げる要領で。爪先だけを床に下ろす。〈1〉〈2〉とも持ち上げる高さは床から20~30センチ程度が目安。〈3〉は爪先を床につけたままかかとを浮かし、戻す動作だ。
ステップはいずれも片方の足で行う。床に強く打ち付けるのではなく、「下ろす」「戻す」のイメージで行う。
座る姿勢は背筋を伸ばし、背もたれに寄りかからない。ステップを踏んでいる間も姿勢を維持するように心掛ける。ただし腰痛などがある場合は無理をしない。
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