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認知症になると車を運転してはだめ?

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免許取り消しか停止に

認知症になると車を運転してはだめ?

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認知症になると

車を運転してはだめ?

 Q 認知症になると、車の運転をしちゃダメなの?

 A 75歳以上の人は3年に1度、運転免許を更新する時に、記憶力や判断力を調べる30分くらいの認知機能検査を受けることになっているんだ。点数が低いと、「認知症のおそれ」と判定されるんだ。そうすると、医師の診断を受ける必要があって、認知症と診断されたら、運転免許の取り消し、または停止になるよ。

 免許更新の時だけでなく、75歳以上の人が運転中に信号無視や一時不停止といった違反行為をした時も同様だ。道路交通法が改正されて、1年前から、こうした制度になったんだ。

 Q どうして制度が変わったの?

 A 高齢のドライバーが増えて、アクセルとブレーキの踏み間違えといった認知機能の低下が原因とみられる事故が相次いでいたことなどが、法改正の背景にあるよ。

 Q どれくらいの人が免許取り消しになったの?

 A 昨年12月末で国が調べたところ、検査を受けた約173万人のうち、約5万人が「認知症のおそれ」と判定されて、そのうち1351人が免許取り消し、停止になっていた。医師の診断を受ける前に自主的に返納した人や更新手続きをせずに免許を失効させた人も1万3624人いたよ。

 Q 事故が減りそうで、安心ね。

 A 実際、2017年の1年間で起きた75歳以上のドライバーによる死亡事故は、16年中より41件減ったんだ。

 でも、課題もある。バス停や電車の駅が遠かったり、本数が少なかったりして、車が運転できなくなると、買い物や通院がとても不便な地域もたくさんある。家にひきこもりがちになって、認知症が進んでしまう危険もあるね。

 取り消しになる前に自主的に免許を返納した人には電車やバスの利用料を割り引きするなど、地域によっては独自に外出を支援する動きもあるけれど、全国的にまだ十分とは言えないよ。地域全体で取り組んで、認知症になっても安心して出かけられる街づくりができるといいね。(田中ひろみ)

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 「猫ピッチャー」の作者、そにしけんじさんの話「社会保障は難しいイメージもありますが、実は身近で大切な問題。若い人も含めて、自分たちの生活を考えるきっかけにしてほしいです」

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