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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

口臭の悩み(下)あなたも臭ってる? チェックリストと予防のコツ

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口臭注意報発令! 原因は生活習慣

 口臭の原因は日常の生活にあります。まず次の「口臭チエックリスト」で、あなたの生活習慣を確認してみてください。

  1. 朝食を食べないことが多い
  2. 食事をするとき、あまりまずに食べるほうだ
  3. お酒やたばこの摂取量が多い
  4. お茶よりコーヒーをよく好む
  5. どちらかといえば、水分はあまりとらない
  6. 口を開けて呼吸していることが多い
  7. ストレスをためこむほうだ
  8. 夜ふかしをするほうだ
  9. 胃腸の調子が悪い
  10. 肉食が多い

 以上のリストで3項目以上当てはまるようなら、口臭注意報発令です。

 朝食を抜いたり、よく嚙まずに食べたりしていると、唾液の分泌が悪くなり、口の中の雑菌が繁殖します。口呼吸も唾液を蒸発させ、口の乾燥をまねきます。夜ふかしやストレスは自律神経の働きを乱して、唾液の分泌を低下させ、口臭の元になる舌苔ぜったいを増加させます。コーヒー、たばこ、お酒はそれ自体がニオイの元となり、胃腸の不調や糖尿病などの生活習慣病の誘因にもなります。

 口臭が強くなったら、それは生活習慣を見直しなさいというサインでもあるのです。

食事のときの飲み物には緑茶を

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 口臭をつくらない生活でまず大切なことは、口腔こうくう内を清潔に保つ「うがいの習慣」を身につけることです。口の中は温度が高いので、食後1、2時間で食べかすが発酵し、ニオイが発生します。食後すぐに歯を磨くのが理想ですが、時間のないときはせめてうがいだけでもしましょう。水に抗菌作用のある酢やレモン汁を適量入れたり、ティートリーの精油を数滴垂らしたりして、手作りのうがい液を作って行うと効果が倍増します。

 食事のときの飲み物は緑茶がよいでしょう。緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノール類はそれ自体に消臭作用があるのに加え、殺菌作用もあるので、口の中の雑菌の繁殖をおさえてくれます。お茶ガラは捨てないで、少量を口に含みガムのように嚙むとカテキンが抽出され、より消臭効果が高まります。私はよく嚙んで、軟らかくなったお茶ガラをそのまま飲み込みます。多少苦味はありますが、お茶の食物繊維が腸内でのニオイの発生をおさえてくれます。便秘気味の人には整腸作用の効果もありますので、みなさんも試してみてください。

口臭予防 梅干しに勝るものはなし!

 食生活も見直しましょう。規則正しい食事、よく嚙んで食べること、の二つが基本です。まずは1日3食、よく嚙んで規則正しく食事をすること。

 口の中に出た唾液は、食事のとき以外も自然に飲みこんでいて、それは腸から再び体内に吸収されています。つまり口から腸、再び唾液腺へと、1日に何リットルも循環をしていて、唾液は出せば出すほど、さらに分泌が増えていくのです。1日3食、よく嚙んで唾液を出せば、こうしたリサイクルが促進されます。そして、食べ物が口の中でよく消化されて異常発酵を防ぎ、腸内でのニオイの発生もおさえられます。

 朝食にぜひ食べてほしい食品は梅干しです。口臭予防では梅干しに勝るものはありません。梅干しに含まれるクエン酸が、口の中の雑菌の繁殖を抑えるとともに、その酸味で唾液の分泌を促進します。クエン酸は口臭だけでなく、体臭や汗のニオイも予防する働きがあります。

 梅干しの苦手な人は、梅酢を毎日お猪口ちょこに1杯飲むとよいでしょう。寝起きに、湯飲み茶碗に梅干しをひとつ入れ、お箸でみつぶしたところに醤油しょうゆをひと垂らし。そこに熱い番茶を注いだ「梅醤番茶」は、唾液が出るだけでなく、眠っていた胃腸を温めて活気を与えてくれます。

 一日の口臭の計は、朝食の取り方にあります。朝食には、抗酸化物質やポリフェノール、食物繊維を多く含む緑黄色野菜や海藻、腸内環境を整える乳酸菌も積極的に摂取してください。口臭予防では「朝食、侮るなかれ」を肝に銘じてくださいね。(五味常明 五味クリニック院長)

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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