医療ルネサンス
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【子どもを守る】遊び(5)Q&A 成長と発達のため不可欠

「遊び」の重要性を医療現場で訴えてきた、国立成育医療研究センター児童・思春期リエゾン診療科医長の田中恭子さんに聞いた。
――子どもにとって遊びとはどんなものですか。
「『子どもの権利条約』に明記されているように、遊びは子どもの権利です。食事や水分と同じくらい、成長と発達のために欠かせません。それは被災地でも、病気療養中の自宅でも、病院でも変わりません」
――遊びには具体的にどんな効用がありますか。
「当院では月1回、2~4歳の病気の幼児たちとその家族が集まって遊ぶ『わくわく広場』を保育士やボランティアと開いています。例えば、お互いの名前を呼びながら、ボールをパスする遊びをすることがあります」
「単純な遊びですが、体を動かしながら人とふれ合うことで、心身の成長が促されます。きちんと順番を待つなどの社会性を身に付けることもできます」
「親子だけの時間が多い子どもが、この時ばかりは親から離れて遊んで自立の芽を見せ、医療と離れた子どもの素の姿を親が見て、子どもの可能性を感じる機会になります」
――不安やストレスの緩和にもつながりますか。
「思春期の子どもと、診療中に一緒に木片やビーズでアクセサリーを作ることがあります。その最中、ため込んだ思いをぽつりぽつりと話してくれることもあります。それが子どもからのSOSである場合もあります」
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