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安田記者の「備えあれば」

コラム

「尊厳死」希望し協会加入

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「尊厳死」希望し協会加入

デザイン部・小林早希

 前回、私の父の終末期について書きました。父の意向が聞けないまま、有料老人ホームへ入居させたことが、今も気にかかっています。父が意思を示せるうちに希望を聞いていれば……。でも、元気だった頃に、そんな問いかけができただろうか?とも思うのです。

 最期をどう迎えるか。重いテーマです。様々な意見や事情があると思います。私の場合は、自分の最期の希望を明確にし、家族や医師などに事前に伝えておきたい。それが自分にとっても、家族にとっても、よい方法なのではないかと考え、1か月前、「日本尊厳死協会」(本部・東京)の会員になりました。

 名刺サイズの会員証には、「尊厳死の宣言書」(リビング・ウィル、終末期医療における意思表示書)として3項目が書かれています。

 〈1〉不治の病で死が迫っていると診断されたら、延命治療はしないでほしい〈2〉苦痛を和らげる医療は行ってほしい〈3〉回復不能な植物状態に陥ったら、生命維持装置を取りやめてほしい――。私の人生の終楽章は、こうありたいと思っています。

 尊厳死とは、本人の意思で安らかな最期を迎えること。「自然死」「平穏死」とも言います。患者の希望で医師が積極的に死期を早める「安楽死」とは違います。

 日本尊厳死協会は1月、「もう少し具体的に希望を示せるように」と、宣言書を補完する「私の希望表明書」を発行しました。最期を過ごしたい場所、自分で食べることができなくなり、医師から回復不能と判断された時の栄養補給手段の希望など、当てはまる項目にチェックを入れます。

 日本尊厳死協会の会員は全国に約11万人。会員が希望する最期を迎えられるよう、約1700人の協力医師が登録しています。年会費は1人2000円。いつでも、尊厳死の宣言を撤回し、退会することができます。

 市販の「エンディングノート」にも、終末期の希望について書く欄を設けているものがあります。最期の迎え方を考えるきっかけになるかもしれません。(社会保障部 安田武晴)

◇ 

 このコラムでは、父親を見送った記者(48)が、最期に備えるための情報をお伝えしています。

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安田武晴(やすだ・たけはる)

2002年から社会保障部。介護、年金、障害者支援、地域福祉、終活などを取材。13年、社会保険労務士国家試験合格。妻、愛猫「しじみ」と暮らしている。

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