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コラム

『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』 川内潤著

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介護離職は誰も幸せにしてくれない

『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』 川内潤著

 年間に10万人が介護のために仕事を辞めている。親などの介護に直面した人の多くが、「介護をとるか、仕事をとるか」を真剣に考えたのではないだろうか。そんな家族介護の担い手に向けた著者のメッセージは、「介護離職は、家族の誰も幸せにしてくれません」と明快だ。

 著者は1980年生まれ。介護職員を経験した後、2008年に市民団体「となりのかいご」(現在はNPO法人)を設立し、要介護者と家族を支援する活動を続けてきた。「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」ことを目指している。本書では、家族が介護の労苦とストレスを抱え込み、仕事などで自分の人生を犠牲にする選択をしないよう呼びかけている。

 介護休業、介護休暇などの制度を使いこなして仕事との両立をする方法や、介護のプロへの上手な任せ方、介護が必要になる予兆と事前準備、家族の役割分担などの現実的な課題について、多くの家族に接した経験をもとにアドバイス。データやチェックリストも盛り込んだ。老人ホームの良しあしの見抜き方なども指南し、実践的だ。

 「どんなに厳しい状況でも、選択肢は常にある」と著者。壁に突き当たったとき、また、そうなる前に、開きたい一冊。(ポプラ社 1200円税別)

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