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障害者虐待、「家族が加害」6割…被害者の52%が知的障害

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障害者虐待、「家族が加害」6割…被害者の52%が知的障害

※厚生労働省の調査から作成

 2016年度に確認された障害者への虐待は、全国で2520件に上ります。前年度の2523件から少し減りましたが、障害者虐待防止法が施行された12年度以降、増加傾向にあります。

 防止法では、虐待が疑われるケースを見つけた場合、市区町村か都道府県への通報が義務づけられています。自治体が虐待を把握しやすくなったことが、件数の増加につながっているとみられます。

 加害者は、親や配偶者など介護する家族が1538件で、全体の約6割を占め最多です。福祉施設や訪問介護事業所などの職員は401件、職場での虐待は581件ありました。12年度と比べ、施設職員は5倍、職場での虐待は4・3倍に増えています。

 施設職員による虐待は、暴行や体を拘束する「身体的虐待」が57・1%、悪口を言ったり無視したりする「心理的虐待」が42・1%に上ります。このほか、障害年金を本人に渡さず勝手に使う、賃金を支払わずに働かせるなどの「経済的虐待」の事例もあります。

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※厚生労働省の調査から作成

 虐待被害者の障害を分析すると、52%が知的障害です。介護する家族やヘルパー、施設職員と円滑に意思疎通できなかったり、虐待を受けても被害を訴えにくかったりすることがうかがえます。

 また、虐待の通報を受けた都道府県や市区町村が調査したところ、虐待の要因として最も多かったのは、家族による虐待では「虐待と認識していない」(47・5%)、施設職員では「知識や介護技術に関する問題」(65・1%)でした。家族が「しつけの一環」と考えて暴力をふるったり、適切な支援ができない施設職員が力に頼ったりしてしまうのです。

 「虐待かな?」と思ったら、速やかに自治体に通報し、深刻化を防ぐことが大切です。(小沼聖実)

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