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薄毛・脱毛(4) 女性も発症 塗り薬で対処

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  薄毛脱毛シリーズでは、毛髪再生医学が専門で大阪大寄付講座教授の板見智さんに聞きます。(聞き手・安田幸一)

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薄毛・脱毛(4) 女性も発症 塗り薬で対処

 男性型脱毛症といえば、女性は「関係ない」と思うかもしれませんが、それは誤り。女性も、無縁ではありません。

 女性ホルモンが少なくなる主に更年期から発症します。女性にもわずかにある原因物質の男性ホルモンが、相対的に多くなるからだと考えられています。けれども関連性がはっきりしない場合もあり、最近では「女性型脱毛症」と呼ばれるようになっています。

 前回紹介した飲み薬は、妊婦や、妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性には使えません。胎児に重い副作用が起きることがあるからです。更年期はその心配も少ないでしょうが、そもそも女性に効果がないことがわかっているので、女性に処方されません。

 というわけで、女性の男性型脱毛症には、飲み薬ではなく、主に塗り薬で対処します。「ミノキシジル外用薬」といって、毛の成長にかかわる物質の分泌を促す効果がある薬で、頭皮に直接塗ります。男性用もありますが、女性用のものが市販され、医師の処方箋なしで購入できます。

 ちなみに、男性型脱毛症は、男女差だけでなく、人種差もあります。欧米人は日本人よりも早くに表れ、半分の人が発症します。日本人は3割ほどです。中国や韓国の人たちの発症率はさらに低くて、年を重ねても黒々とした豊かな毛髪の方が多いです。なぜなのかよくわかっていません。

大阪大教授の板見智さん

【略歴】

板見 智(いたみ・さとし)

1952年生まれ。大阪大学医学部卒。マイアミ大学研究員、大分医科大学助教授、大阪大学助教授などを歴任し、2006年から現職。著書に「専門医が語る毛髪科学最前線」(集英社新書)がある。

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