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いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

コラム

短命の宣告を超えて――13トリソミーの子(1)「1歳まで生きられる可能性は10%」

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 こうちゃん(仮名)は妊娠38週で誕生しました。生まれるまで、病気や障害などがあるとは、両親はまったく考えていませんでした。 分娩(ぶんべん) は実家のすぐ近くの産科クリニックでした。生まれてみると、 臍帯(さいたい)(へそ) の緒の中)に腸が飛び出て、臍帯ヘルニアの状態にあり、その日のうちに大学病院へ搬送され、翌日には根治手術を受けて状態は落ち着きました。

医師の宣告にショック 言葉も出ない…

 臍帯ヘルニア以外にも小さな奇形がいくつかあったため、医師はこうちゃんの染色体検査をおこないました。結果は13トリソミーでした。

 両親は医師から、こうちゃんが染色体異常の13トリソミーであること、1歳まで生きられる可能性は10%であることを告げられました。母親は強いショックを受けました。言葉も出ませんでした。めったに泣かない父親も涙を流しました。医師の言葉は夫婦に大変重くのしかかりました。医師が言うのだから間違いはない。10%の生存例に入るなんて、そうあるものではない。こうちゃんは、1歳までに死ぬのだと夫婦は思いました。

【名畑文巨のまなざし】 ダウン症のタペロくんの撮影は、2時間ほど行いました。日本から持参したおもちゃを駆使。遊びながら撮っているうちに、だんだん心が通っていくのを感じました。終了して帰るとき、お母さんが「最後にあなたとハグしたいそうです」。彼は、ぎゅっとハグしてくれました。もう友達です。南アフリカ共和国プレトリア市にて

【名畑文巨のまなざし】
 ダウン症のタペロくんの撮影は2時間ほど行いました。日本から持参したおもちゃを駆使。遊びながら撮っているうちに、だんだん心が通っていくのを感じました。終了して帰るとき、お母さんが「最後にあなたとハグしたいそうです」。彼は、ぎゅっとハグしてくれました。もう友達です。南アフリカ共和国プレトリア市にて

 母親はどんな質問を医師にすればいいのかよくわかりませんでしたが、体の障害とはどういうもので、知的な遅れとはどんな感じなのかについて尋ねてみました。1年の命というのは、最後はどんな形で死に至るのかも聞きました。

 ですが、医師の答えはあまり明確ではありませんでした。短命ということは言明するものの、具体的な障害の説明はあいまいでした。「車椅子の生活になるかな……」「口から食べ物を飲み込むのは難しいかな……」「知的障害は間違いないだろうな……」と、断片的に答えを返してくれました。そしてパソコンを開き、「13トリソミーの子供を支援する親の会」のホームページをプリントアウトして渡してくれました。医師自身が、13トリソミーの子どもを持った親のブログなどを閲覧し、情報を集めているようでした。

子を抱き ボロボロと流れた涙

 説明を聞いて、13トリソミーというのがどれほど重い障害なのかが分かると、涙が止まらなくなりました。こうちゃんを抱っこしていても、ボロボロと涙が流れ続けました。こうちゃんはお (なか) をすかせて大声で泣きます。二人で泣きました。しかし母親は、これではいけないと思うようになりました。

 「この子は一生懸命生きようとしているのに、私がメソメソしていたらダメだ! とにかく目の前にいるこの子を育てないと!」

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 【名畑文巨さんが講演】 イベント『共に生き、幸せに暮らしていける社会へ~ダウン症と社会との関わり~』を大阪市で開催…3月18日 ⇒ 詳しくは こちら

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いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

 生まれてくる子どもに重い障害があるとわかったとき、家族はどう向き合えばいいのか。大人たちの選択が、子どもの生きる力を支えてくれないことも、現実にはある。命の尊厳に対し、他者が線を引くことは許されるのだろうか? 小児医療の現場でその答えを探し続ける医師と、障害のある子どもたちに寄り添ってきた写真家が、小さな命の重さと輝きを伝えます。

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松永正訓(まつなが・ただし)

1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部を卒業、小児外科医になる。99年に千葉大小児外科講師に就き、日本小児肝がんスタディーグループのスタディーコーディネーターも務めた。国際小児がん学会のBest Poster Prizeなど受賞歴多数。2006年より、「 松永クリニック小児科・小児外科 」院長。

『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』にて13年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。著書に『小児がん外科医 君たちが教えてくれたこと』(中公文庫)、『呼吸器の子』(現代書館)など。2017年11月、『子どもの病気 常識のウソ』(中公新書ラクレ)を出版。

ブログは http://wallaby-clinic.asablo.jp/blog/

名畑文巨(なばた・ふみお)

1958年、大阪府生まれ。外資系子どもポートレートスタジオなどで、長年にわたり子ども撮影に携わる。その後、作家活動に入り、2009年、金魚すくいと子どもをテーマにした作品「バトル・オブ・ナツヤスミ」でAPAアワード文部科学大臣賞受賞。近年は障害のある子どもの撮影を手がける。世界の障害児を取材する「 世界の障害のある子どもたちの写真展 」プロジェクトを開始し、18年5月にロンドンにて写真展を開催。大阪府池田市在住。

ホームページは http://www.fumionabata.com/index.html

名畑文巨ロンドン展報告

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3件 のコメント

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命の価値と労働の価値 アンプティサッカー

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

今年も神戸に続き、東北の震災の日が過ぎました。 メディアを通して、「あるはずのものが失われた」傷と新しい人生を抱えている様子が映し出されます。 ...

今年も神戸に続き、東北の震災の日が過ぎました。
メディアを通して、「あるはずのものが失われた」傷と新しい人生を抱えている様子が映し出されます。
メディアに写らない現実もあることでしょう。

さて、サッカードクターセミナーでアンプティサッカーに触れました。
幻肢痛も知られる、四肢切断者の競技です。
競技そのものより、競技後にお子さんを器用に抱っこし、首の上に座らせてから器用に歩く選手の方が印象に残りました。
五体満足で不仲な家族よりもよほど良いですね。
サッカーの技術やスポンサーの意向を組んだ運営のアドバイスをしました。

一緒に声を出してピッチを駆けながら、事故や病気で痛んだ身体をスポーツに使うことは客観的には理解されない喜びだけど大事だなと思いました。
身体疾患や社会的状況に伴う、抑うつなどの精神症状予防のためにも他人の評価よりも、本人の価値観、生きている実感が大事です。

多くの人間は労働生産性やいわゆる建前の社会的意義だけでは生きていけません。
障害者も健常者も「やるスポーツ」を楽しめる環境の整備が大事だと思いました。

トリソミーの子供も一緒で「あるはずの健康がない」ということは本人や家族に一定の苦痛を与えます。
希望や人間関係を巡る認知の問題は難題です。

最初からないのと、出来たものが失われるのは精神的な意味も変わりますが、命の価値や仕事の価値は誰がどのように評価するのか?

本文同様、正解を決めつけることなく、それぞれの答えを探せる状況が続くと良いですね。

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出生前診断

にこにこ

出生前診断が一般診療となるといっても、費用は20万円かかります。 検査はできても両親揃っての遺伝カウンセリングもするはずだけど、きちんと対応出来...

出生前診断が一般診療となるといっても、費用は20万円かかります。
検査はできても両親揃っての遺伝カウンセリングもするはずだけど、きちんと対応出来るのかな?
今後の妊婦さんへの心身への負担が心配です。

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出生前診断

コウノドリ

先ごろ、日本産婦人科学会が新型出生前診断の一般診療化を決定しましたね。

先ごろ、日本産婦人科学会が新型出生前診断の一般診療化を決定しましたね。

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