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[声帯を丈夫に](3)声出し訓練で誤嚥防ぐ

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 加齢による声帯の 萎縮いしゅく が進むと、声帯がぴったり閉じなくなる。この状態は、命に関わる 誤嚥性ごえんせい 肺炎の危険を高める。

[声帯を丈夫に](3)声出し訓練で誤嚥防ぐ

 のどには、飲食の際に閉じるふた「 喉頭蓋こうとうがい 」がある。万一、ふたの閉まりが悪くても、奥の声帯がきちんと閉じていれば誤嚥は防げるが、隙間があれば、すり抜けてしまう。

 声帯の筋肉を鍛えれば萎縮は防げるという。国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)人工臓器・機器開発研究部長の角田晃一さんは、筋肉を鍛える、朝夕1回ずつの訓練法を指導する。

 〈1〉胸の前で両手を合わせる〈2〉両手を押し合う瞬間に「1」と、短く声を出す〈3〉一呼吸(2秒程度)置き、両手を押し合う瞬間に「2」と、短く声を出す――これを「10」まで繰り返す。

 同センターなど同機構の計10病院のチームは、声がれや誤嚥で受診した60歳以上の男女を無作為に2グループに分けて、この訓練の効果を調べた。訓練をしなかった216人中18人が半年以内に肺炎で入院したが、毎日訓練を続けた199人では2人にとどまり、誤嚥予防効果が確認できた。声がれの改善にもつながった。

 声帯は、使わないと衰える。高齢で独居になったり外出が減ったりすることも萎縮を招く。角田さんは「健康長寿は会話から。訓練も大切だが、周りも積極的に話しかけてほしい」と呼びかける。(中島久美子)

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