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【いのちの値段】「適正」を探る(4)他科の治療知らない医師

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【いのちの値段】「適正」を探る(4)他科の治療知らない医師

前立腺がんの解説書を手にする男性。検査値の変化を示すグラフは自作(都内で)=林陽一撮影

 前立腺がんを治療中の東京都の男性(62)は、主治医を務めた2人の泌尿器科医への不信感が消えない。

 1人目には、手術に誘導されたように感じる。2011年、前立腺がんを患い、手術実績がある病院を探した。確かに手術の説明は詳しかった。悪性度が高く、再発率は15%。後遺症は、排尿障害の確率が15%。会社勤めだから、尿もれだけは避けたい。

 がんの専門病院で放射線科医の意見も聞きたかった。タレントの間寛平さんが放射線で前立腺がんを治療し、マラソンを完走した記事を目にしたからだ。

 だが、泌尿器科医は「専門病院でも手術をして放り出されるだけ」「放射線を最初に選ぶと、再発時に受けられない」と 一蹴いっしゅう した。

 3割負担の約30万円で受けた手術後は、尿吸収パッドが手放せなくなった。宴会の席などで酒を飲み、大量に尿が漏れて座布団を汚したこともある。

 放射線治療では 膀胱ぼうこう や腸が傷つき出血する人もいるが、排尿障害のリスクは低い。治療成績は手術とほぼ変わらない。一般の放射線治療なら、2か月程度の通院で約30万円。自分は対象外かもしれないが、放射線を放出するカプセルを前立腺に入れる小線源療法は4日で約40万円――。そうした情報を何も知らずに、手術を受けたことが悔しい。

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