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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

コラム

認知症になると「あの臭い」が消える?

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漫画・日野あかね

漫画・日野あかね

あくまで“杏里調べ”ですが…

 これはあくまで“杏里調べ”によるものですが、父さんが認知症になってから改善(?)されたことがあります。それは「加齢臭」。そうです、認知症の症状が進むことと反比例して、父さんから「加齢臭」が減っていったのです。

 私が子どものころから、父さんの枕はあの独特なニオイがキョーレツにしていて(お食事しながら読んでいる方ゴメンナサイ)、母さんは枕カバーを洗濯するたびに「いくら洗っても臭いが取れない」と嘆いておりました。朝も夜もなく忙しくバリバリ働いていたころは相当なもので、今でも鼻の奥に記憶に残っているのか、思い出すとクラクラしてくるほどです。

 それが、父さんが認知症になってからは、そのほかのところからはいろいろな臭い(またまたお食事中の方ゴメンナサイ)がするのですが、あの枕に染みついた臭いがなくなっていったのです。

男性を介護する仲間は「わかるぅ~」

 さまざまなご縁により、私にはたくさんの認知症介護仲間がいます。ときどきその仲間たちで集うこともあり、愚痴や悩みなどの“認知症介護トーク”で盛り上がります。そこで私はみんなに「認知症介護生活の大発見!」として「父さんの加齢臭」のことを発表してみました。

 すると、お母さんなど女性の認知症の方を介護している仲間はあまりピンときていないようでしたが、私のように父親など男性の認知症の方を介護している仲間たちは「わかるぅ~」とうなずいているではありませんか。

 父さんは脳血管性認知症ですが、アルツハイマー型認知症だったりそれ以外だったりと、認知症になった原因が違っていても、ソレは当てはまるようでした。一方で「でも、加齢臭がしなくなった代わりに……」と、違う臭いの話でも盛り上がったことは、いうまでもありません。

もしや世紀の大発見!? ぜひ調査にご協力を

 それからも「認知症と加齢臭」について、特に臭いそうな(!)若年性認知症の男性を介護している仲間に会うたびに“杏里調べ”を続けました。そもそも元から臭わない方もいるため、全員から賛同を得るということはありませんが、かなりの確率で「わかるぅ~」と返事が返ってくるではありませんか!

 「こ、これはもしかして世紀の大発見!」。かもしれませんが、私は医学者でも、認知症の研究者でもないので真偽を調べることはできません。

 ある介護仲間はその理由を、「認知症が進むにつれ、それまで抱えていたストレスから解放されることもあるからね……」と分析していました。確かに「加齢臭」について調べてみると、その原因の一つにストレスもあるようです。

 とりあえず一番身近な母さんにも賛同してもらいたく、「ねぇ、父さんって認知症になってから加齢臭がしなくなったよね~」と確認してみました。ところが「え~、ほかの臭いがあり過ぎてわかんないな~」と、あまりアテにはなりません。ですが、これも岡崎家の“認知症介護あるある”なのは間違いないのです。

 もし、認知症の方を介護されていて、「わかるぅ~」、あるいは「いや、もっと臭いが強くなった」など、“杏里調べ”に協力してくださる読者がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお願いいたします。もしかしたら意外な事実がわかるかもしれませんよ!?(岡崎杏里 ライター)

登場人物紹介はこちら

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 23歳で少女漫画誌でデビュー。現在は、生まれ育った北海道で夫と暮らす。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、つらい治療を乗り越えて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載中。

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3件 のコメント

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認知症じゃなくても

りな

私の祖父は80代半ばですが認知症もなく元気にバスや新幹線で出かけています。 昔祖母が「パパ(祖父)の枕が臭い!」とよく言っていたのを覚えています...

私の祖父は80代半ばですが認知症もなく元気にバスや新幹線で出かけています。
昔祖母が「パパ(祖父)の枕が臭い!」とよく言っていたのを覚えていますが現在祖母も何も言わず、私も臭さは感じません。
なので認知症の問題ではなく、加齢で代謝が落ちて脂が減る事で臭いが減るのでは?と思います。

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加齢臭の原因はストレスでは、という仮説。

かおりマニア

こんにちは、26歳女性です。 うちの父もまた、私が物心ついた頃からずっと加齢臭がしていました。しかし、5年前に母と離婚してからというものまったく...

こんにちは、26歳女性です。
うちの父もまた、私が物心ついた頃からずっと加齢臭がしていました。しかし、5年前に母と離婚してからというものまったくと言っていいほど加齢臭がしなくなりました。父は現在50代の現役会社員、認知症ではありません。

「靴下を脱ぎっぱなしにするな」
「ティッシュを無駄遣いするな」
「早朝起きたなら、あなたの生活音がうるさいから静かに活動して」
「休日ごろごろしてないでたまには家族旅行に連れて行って」
など、まるで父のお母さんかのように父に接していた我が母。

父は自分の本音をうまく表現することなく、押さえ込んで消化するタイプでした。

両親離婚後、わたしは父の生態に興味がありしばらく父と一緒に住むことにしたのですが、これがおもしろい。家族で暮らしていたころより3倍くらい幸せそう。常にリラックスした表情で生活しているのです。

靴下の脱ぎっぱなしも、休日のごろごろもなくなりました。

そして精神的にも身体的にもどんどんと若返ってきています。最近はまたモテ期が来ているようで、仕事もプライベートも充実しているようです。
月に1度ほど外食に誘われるので、そこでお酒をかわしながら互いに近況報告や最近の嬉しかった出来事などを共有します。

家族であってもちょうど良い距離感を保ち、礼儀と節度があれば互いに楽しく健康に過ごせるのかなと感じています。

加齢臭、おもしろいですね。

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年齢とニオイ。

たぶ

以前していた枕のニオイは加齢臭ではなくミドル脂臭でしょう。認知症を発症される方は恐らく高齢と推察されます。ミドル脂臭は40台をピークに発生するニ...

以前していた枕のニオイは加齢臭ではなくミドル脂臭でしょう。認知症を発症される方は恐らく高齢と推察されます。ミドル脂臭は40台をピークに発生するニオイですので、年齢とともに減っていくのは十分にありうるかと思います。一方で50歳あたりから加齢臭が本格化してきますので、いろんなニオイが混ざるので、共感されないケースもあるかと思います。ちなみに加齢臭はそれほど不快ではないニオイですので、筆者様はむしろにおいがなくなったと感じられたのだと思います。

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