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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

目の前に「邪魔者」が…飛蚊症、光視症、小雪症候群はどう違う?

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目の前に「邪魔者」が…飛蚊症、光視症、小雪症候群はどう違う?

 前回、視野全体に小雪が降っているように見える「小雪症候群」について紹介しました( 目の前に「ノイズ」が降り注ぐ…視力検査では分からない「小雪症候群」 )。予想を超える反響をいただき、「似たような症状を持つ方が随分いらっしゃるのだな」と、認識を新たにしました。

 ただ、気になったのは、「 飛蚊症(ひぶんしょう) 」や「 光視症(こうししょう) 」と「小雪症候群」を混同しているようなコメントや質問があったことです。今回は、それぞれの病気と「小雪症候群」との違いを整理します。

飛蚊症…眼球内の硝子体の濁りが網膜に映る

 

 視野に「邪魔者」が見えている。こうした現象について、「視覚陽性現象」という専門用語を使うことがあります。原因は眼球か脳か二つに大別されます。

 

 眼球に原因があるものの代表は、飛蚊症です。眼球の水晶体と網膜の間に存在する 硝子体(しょうしたい) の濁りが、網膜に映ってしまうことで起きる現象です。曲線、半円形、虫のよう、などさまざまな形や広がりがありますが、目の前に蚊が飛んでいるのかと間違ってしまう場合があることから、「飛蚊」の用語が使われるようになりました( 心療眼科医・若倉雅登の相談室(3)気になる飛蚊症 )。

 飛蚊症は、強い近視や加齢などの生理的な原因による場合が大半ですが、網膜裂孔や剥離、眼底出血、ぶどう膜炎などの目の病気で起きることもあります。

眼性光視症…網膜で勝手に「放電」

 

 「飛蚊症」の親戚と言われているのが「眼性光視症」です。光視症は文字通り、1個から数個の粒状の光が見える一過性の現象です。視野の外側に雷のような稲妻が走る現象「ムーアの稲妻線条」も、この仲間です。網膜の大半は神経細胞でできており、眼球内の何らかの変化で網膜の勝手な発火(自生放電)が生じて、光として見えるのです。

 飛蚊症と同じように、生理的なものと、網膜裂孔などの病気からくるものとがあるので、眼科で一度確認しておくとよいと思います。

 

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。北里大学医学部客員教授、日本神経眼科学会理事長などを兼務し、15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ、副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人---心療眼科医が本音で伝える患者学」(春秋社)、「健康は眼に聞け」(同)、「目の異常、そのとき」(人間と歴史社)、医療小説「高津川 日本初の女性眼科医 右田アサ」(青志社)、「茅花流しの診療所」(同)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半には講演・執筆活動のほか、NPO法人などのボランティア活動に取り組む。

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