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バイオリニスト 式町水晶さん

一病息災

[バイオリニスト 式町水晶さん]脳性まひ(2)微妙な指の感覚身につく

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 演奏する姿からは、子どもの頃、手足に障害を抱えて車いす生活をしていたことを想像するのは難しい。「ここまで体が動くようになったのは、バイオリンのおかげ」と言う。

[バイオリニスト 式町水晶さん]脳性まひ(2)微妙な指の感覚身につく

 言葉を覚え始めた1歳の頃、ディズニーソングの「小さな世界」を歌うのを聴き、母の啓子さんは「音楽の才能がある」と直感した。

 病院でのリハビリに加え、リズムに合わせて体を動かし表現力を養う音楽療法「リトミック」の教室に通わせ、ピアノも習わせた。4歳になると、指を動かす訓練としてバイオリンを始めた。

 2人のバイオリニストと出会って才能が開花した。

 6歳から習った中沢きみ子さんは、最大の理解者だ。根気強いレッスンで、硬直して弦まで届かなかった指が動くようになっていった。11歳から受けた中西俊博さんの指導も独創的だ。「脳と筋肉の意識をつなげる」ことを重点に、当時のレッスンは3時間、ポップスに合わせてひたすらステップを踏むだけ。「何でバイオリンを弾かせてくれないの」と思った。

 ぎこちない指の動きを良くするために、コンニャクをつかむ反復練習をした。つぶさず、上手につかめるようになると、今度は自分から木綿豆腐に挑戦した。微妙な指の感覚が身につき、音色も滑らかになった。きれいな音色は、自信につながっていった。

  バイオリニスト  式町(しきまち)水晶(みずき) さん(21)

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