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医療・健康・介護のコラム

[フリーアナウンサー 久保純子さん](下)9歳と3歳の娘を連れ米国へ 乗客の「ベビーカー優先」に目からウロコ

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車いす乗車で10分遅れ 誰も嫌がらず

――2011年から13年まで、アメリカのカリフォルニアに住みました。お子さんを抱えての生活はいかがでしたか。

 外国での子育ては、目からウロコが落ちるような発見がたくさんありました。

[フリーアナウンサー 久保純子さん](下)9歳と3歳の娘たちと米国暮らし 乗客の「ベビーカー優先」に目からウロコ

――異国での子育ては大変だったのでは。

 日本よりもずっと気持ちは楽でした。レストランに行くと、色鉛筆とぬり絵が置いてあったり、子ども用のメニューが充実していたり。子連れの人を歓迎してくれる雰囲気があります。

 日本では、公共の交通機関でベビーカーを使う際、「すみません、すみません。電車に乗ります、すみません」と、ひたすら謝っていた記憶があります。それが、アメリカでは、むしろベビーカーが優先されるような空気がありました。子どもに限らず、犬が電車に乗ってきても、みんな大喜びするほどです。どんなに混んでいても、嫌だという顔をしない。それは「誰に対しても平等に接する」ということだと思います。

 例えば、障害のある方が車いすでバスに乗る。車いすの人を載せるために、10分ぐらい停車して、運転手の方がお手伝いするのも当たり前ですし、乗客も嫌な顔一つしません。日本は義理人情が厚くて本当にみんな親切で、サービスも行き届いていますが、子育てに関していえば、アメリカの寛大さを見習いたいと思うこともあります。

モンテッソーリ教育との出合い

――カリフォルニアで暮らした間は、上のお子さんは小学生ですか。

 当時、長女は9歳、次女は3歳になったばかりでした。現地の小学校と幼稚園に通っていました。

 言葉の壁、環境の変化という意味では、子どもたちは本当に大変だったと思います。しかし、親から見ると、理想的な教育環境だと思いました。

 下の子が入った幼稚園は、子どもが何に興味を持ち、どう成長していくかをよく研究していて、まさに夢のようなプログラムができていました。自分が子どもだった頃、「これをしたかったよね」というような遊びや学びばかりです。

 水遊びをしたい子は、一日中水遊びをする。絵を描きたい子は、一日中絵を描く。おままごとをしたい子は、おままごとをずっとする。それぞれの子どもに沿った成長プログラムを組んでいるんです。

 私はそこで、「教育って、すごい影響力があるんだな」と実感しました。そして、もともと興味があった「モンテッソーリメソッド」(子どもの自発的な知的好奇心を大事に、自由な環境作りを重視する教育プログラム)を、しっかり勉強してみようと思ったんです。

 子どもが自由にいろいろなことを模索し、とことんやって満足すれば、人に対して優しくなれるし、新たなチャレンジをしたいという気持ちも生まれる。「ダメ」という言葉がNGなほど自由な環境で、子どもは「自分の力」で育っていく。アメリカの教育現場やモンテッソーリとの出合いは、私に大きな影響を与えてくれました。

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