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コラム

[フリーアナウンサー 久保純子さん](上)「仕事」と「出産」どちらも大切 米国で知った「人生は自由で幅広い」

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[フリーアナウンサー 久保純子さん](上)「仕事」と「出産」どちらも欲しい! 米国で知った「人生は自由で幅広い」

 「クボジュン」の愛称でNHKの紅白歌合戦の司会などを務め、多くの視聴者の人気を獲得した久保純子さん。NHK在籍中に第1子を出産し、フリーに転じた後も子育てと仕事を両立させ、第2子を授かりました。現在はアメリカに住んで2人の子育てに奮闘する久保さんに、育児の経験や異国での子育て事情について聞きました。(聞き手・塩崎淳一郎、写真・高梨義之)

まもなく傘寿 働く母親が手本に

――2002年、30歳になる直前に長女を出産。NHKアナウンサーとして、第一線でバリバリ働いていた頃です。子どもが欲しいという思いは、結婚した当初からずっと持っていたのですか。

 そうですね。小さい頃の夢も幼稚園の先生だったり、小学校の先生だったり、子どもと接することがすごく好きだったので、子どもはいずれ機会があれば欲しいなと思っていました。夫と結婚したのが28歳で、一番忙しく、充実したお仕事との出合いも多かった頃でしたから、葛藤はありました。

 家族を持ちたいというのは切なる願いでもあり、仕事とのバランスをうまくとる選択肢はないかと模索していました。ですが、「働かない」という選択肢はありませんでした。

 母も私が生まれる直前まで、そして生まれた直後から仕事をしていました。まもなく傘寿を迎えますが、今も現役で仕事をしています。仕事をしていない母を見たことがない私にとっては、「仕事をしながら子育てもする」ということが本当に自然の流れに見えました。

 自分がやりたいと思うことをやり続ける。それは仕事もそうですし、子育てもそう。いろいろな選択肢がある中で、やりたいことは確実にやりたいと思っていました。出産が何かの妨げになるとか、自分のキャリアのマイナスになるという考えはありませんでした。

――お母さんがお手本だった?

 子育て中の母は、ものすごく忙しそうでした。仕事から帰宅すると、兄と私を抱きしめます。すぐに夕飯の支度。夕食後は、自宅で開いていた英語教室で近所の子どもたちに英語を教えていました。いつも走り回っていて、家で座っている姿は見たことがなかったですし、テレビの前でくつろいでいる姿も記憶にありません。母が私の帰りを待っていて、おやつが出てくるということはありませんでしたが、私には、いつも輝いて見えました。

自分の働き方改革のためフリーに

――では、キャリアを継続しながら出産と子育てに臨むことに、迷いはなかったんですね。

 そうですね。実際に出産してみたら、あまりにも目の前にいる存在がいとおしくて、自分を求めてくれていて、今しかこの瞬間がないと思うと、とっても切なくて離れたくなくて、ずっと一緒にいたいと思いました。この限られた子育てという時間、いずれは巣立っていく子どもとの貴重な時間をできる限り共有したい。昨日までできなかったことが今日できるようになっている。ある日突然、寝返りがうてるようになったり、言葉があふれるように出てきたり。その一つ一つの成長過程が魔法みたいで、人間のすごさ、生命の偉大さを感じる瞬間に立ち合っていたいと。

 ただ、それと同時に、仕事を続けたい思いも強く残っていました。女性ならではの感性が生かせる仕事や、母親としての経験が生かせる仕事もあるはずです。そのため、長女が生まれて6か月で職場復帰をしたときには、自分の働き方を改革したいと考えました。

――それはどういうことですか。

 結婚前、夜のニュース番組を担当していた頃は、番組終了後に同僚と焼き肉を食べて深夜の2時か3時に帰宅するような生活でした。その後、「おはよう日本」という朝の番組を担当することになると、今度は午前2時に起きるサイクルに急変。このままでは、子育てと仕事を両立させ、「ワーク・ライフ・バランス」を実現するのは難しいと感じていました。

 結婚後、夫の転勤に伴ってカリフォルニアで生活をする機会がありました。そこで、母親であっても年齢がいくつになっても学ぶ姿勢を忘れず、習い事をしたり大学に通ったりする女性たち、仕事も目いっぱいしながら、家庭もプライベートも充実させる女性たちにたくさん出会いました。人の生き方って、もっと自由で幅があっていい。いくつになっても夢を持ち、チャレンジしていいのだと、改めて気づくことができました。

 そこで、NHKでしばらく嘱託職員の形でお世話になり、NHKを辞めてからは、フリーとして、仕事と家庭のバランスを保ちながらアナウンサー業を続けることを選びました。

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