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虐待など受けた子どこで暮らすの?

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自治体が保護し育てる

 

虐待など受けた子どこで暮らすの?

 

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虐待など受けた子

どこで暮らすの?

 Q 親と暮らせない子どもがいるんだってね。

 A 日本には約3万6000人いるよ。親がいない子、親が病気や貧困で育てられない子だけでなく、親から虐待を受けて引き離された子も多い。こうした子どもは、国や自治体が保護し、18歳になるまで親の代わりに育てることになっている。これを「社会的養護」と呼ぶんだ。

 Q 保護された子どもたちはどこで生活するの?

 A 大きく分けて施設と家庭がある。施設には、主に0歳の乳児のための「乳児院」と、主に1~18歳の児童のための「児童養護施設」がある。保育士などの資格を持つ職員がいて、子どもたちの世話をする。乳児院では約2800人、児童養護施設では約2万6500人が生活している。

 一方、家庭には、「里親」と「ファミリーホーム」がある。里親は、自治体の研修を受けた人がなり、一定期間、一緒に生活をする。法律上の親子関係はなく、里親には国や自治体から、養育手当や子どもの食費、教育費などが支給される。

 Q ファミリーホームって何?

 A 里親の大家族版だよ。里親が原則、4人までの子どもを育てるのに対し、ファミリーホームは、6人まで養育できる。里親や施設職員経験者が始めるケースが多い。里親とファミリーホームで、計約6500人の子どもが暮らしている。養親と戸籍上も親子になる「特別養子縁組」を結ぶケースも、年間500件前後ある。

 Q 施設で暮らす子どもの方が多いわね。

 A 約8割は施設で、家庭は2割に満たない。施設での養育を中心にし、里親のなり手を積極的に増やしてこなかったことなどが理由だ。これに対し、欧米は里親の方が多い。様々な研究で、特に乳幼児は施設より家庭で、特定の大人と1対1の関係を築くことが発達に重要だとわかったことなどが背景にある。

 日本も一昨年、児童福祉法を改正し、社会的養護は里親など家庭での養育を原則にした。今後は、里親をどう増やしていくかが課題だね。(樋口郁子)

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 「猫ピッチャー」の作者、そにしけんじさんの話「社会保障は難しいイメージもありますが、実は身近で大切な問題。若い人も含めて、自分たちの生活を考えるきっかけにしてほしいです」

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