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【いのちの値段】「適正」を探る(1)高額な抗がん剤と暮らす

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【いのちの値段】「適正」を探る(1)高額な抗がん剤と暮らす

夫の厚さん(左)と2人、自宅近くを散歩する平根昌子さん。早春、山は少しずつ芽吹きだした(茨城県常陸太田市で)=奥西義和撮影

 平根昌子さん(75)は、夫の厚さん(78)と歩く時間が好きだ。茨城県常陸太田市の丘陵地。自宅の庭で、コブシの白いつぼみが早春の風に揺れている。

 日立製作所を退職した厚さんと2人、この田園に移り住んだ。2013年、70歳で右肺に長径3・2センチの非小細胞がんが見つかった。以来、5年間、効果が切れるたびに別の抗がん剤に切りかえ、いのちをつないだ。厚さんの運転で毎月、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に通う。

 最初は、がん細胞を狙い撃つ分子標的薬「イレッサ」(02年発売)。現在の七つめが同種の新薬「タグリッソ」(16年発売)。イレッサの効果がなくなった患者の半数が対象になる。16年9月に服薬を始め、がんは1・8センチに縮小した。

 うれしかったのは、激しい副作用から解放されたことだ。「体の毒が抜けたみたい」。脳や腎臓、胸椎や 大腿だいたい 骨にもがんは転移したが、強い自覚症状はない。

 タグリッソの薬価は1か月あたり約70万円。高額なイレッサのさらに4倍弱だ。16年度、国内の抗がん剤売上額は9746億円。前年比14・5%増。この10年で1・7倍に増えた。高額薬の開発が続き、抗がん剤は12年、薬剤の最大市場となった。

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