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バイオリニスト 式町水晶さん

一病息災

[バイオリニスト 式町水晶さん]脳性まひ(1)早産で小脳小さく

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 2015年3月、仙台市の東北大学で開かれた国連防災世界会議。会合の合間、バイオリンの美しい音色が響いた。NHKの震災復興支援ソング「花は咲く」などに、各国の政治家らが聴き入った。

[バイオリニスト 式町水晶さん]脳性まひ(1)早産で小脳小さく

 被災地で慰問演奏会を重ねたことなどから、演奏を任された。16歳でプロデビューした脳性まひのバイオリニストには、初の大舞台だった。「いつもと違い緊張したが、演奏に気持ちをこめることができた」と振り返る。

 早産で生まれた。体重は1836グラム。3日間生死の境をさまよい、黄だんなどで退院まで2か月かかった。一般に未熟な状態で生まれると、何らかの後遺症が出る可能性がある。母の啓子さんは「医師から『目か脳の障害は必ず出ます』と告げられ、不安になった」と思い返す。

 1歳で斜視が表れたが手術で治った。ほっとしたが、平穏は続かなかった。歩き方がおぼつかなくなり、よく転ぶようになった。病院で検査すると、運動機能をつかさどる小脳の大きさが、通常の半分以下だとわかった。早産が原因だった。

 3歳で東京都から障害認定を受けた。脳性まひによる両上肢機能障害(障害の重い方から1~7級あるうちの6級)、両下肢機能障害(同4級)。「これからどうしよう」。漠然と不安を抱えつつも、啓子さんは前を向くしかなかった。

  バイオリニスト  式町(しきまち)水晶(みずき) さん(21)

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