教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
食物アレルギー なぜ発症?
肌から侵入、原因物質に
Q ピーナツを食べた子どもにじんましんが出たよ。
ヨミドック 食物アレルギーかもしれませんね。ピーナツは、鶏卵、牛乳、小麦に次いで原因となることの多い食品です。
Q 他の症状もあるの。
ヨ 目の腫れや息苦しさ、頭痛、腹痛などが出ることがあります。一気に全身でアレルギー症状が出て呼吸困難や意識障害を起こす「アナフィラキシー」という危険な状態になることもあります。
Q なぜ起きるの。
ヨ 体を外敵の異物から守る免疫と関係しています。食べ物も異物ですが、口から食べて腸で吸収されると攻撃対象から外れます。しかし炎症で荒れた皮膚などから食べ物のかけらが体内に入ると、免疫に敵とみなされ、記憶されます。いったん敵とみなされると、その食品は口から入っても攻撃され、アレルギー症状が出ます。
Q 食物アレルギーにならないようにしたいよ。
ヨ 完全な予防法はありません。ただ、保湿剤を塗って肌を守ることで、予防できるかもしれないと期待されています。原因になりうる食べ物のカスなどを掃除で取り除くことも大切です。かつて離乳食の開始を遅らせるとよいといわれましたが、いまはむしろ早めに始めた方が、リスクは下がると考えられています。
Q アレルギーを起こすようになったら治せないの。
ヨ 基本はアレルギーを起こす食品を避けることですが、少しずつ食べて体に慣れさせ、治す方法があります。体調や調理法によって違いが出てくるので、専門医と相談して進めてください。
Q 子どもは春から学校に通うから不安だな。
ヨ 給食で原因となる食品を食べないことや、アナフィラキシーが起きたら危険な症状を和らげる注射薬「エピペン」を打ってもらうことなどを学校側に伝えておきましょう。好き嫌いではないことを、同級生に説明してもらうことも大切です。医師の診断書を用意し、担任への説明は校長や養護の先生に同席をお願いするとスムーズに運ぶことが多いようです。
(森井雄一/取材協力=大矢幸弘・国立成育医療研究センターアレルギー科医長、野口隆・相模原アレルギーの会理事長)
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