文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

シニアニュース

ニュース・解説

[介護のいろは](2)要介護認定 どう受ける?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

  年を重ねたり、病気になったりして、生活に不便を感じる――。そんな人が介護保険サービスを使いたい場合、どうしたらいいのでしょうか。まず、市町村の介護担当窓口に申請して、「要介護認定」を受けることが、最初の一歩になります。(辻阪光平)

自治体に申請後 訪問調査

 

[介護のいろは](1)自治体に申請後 訪問調査

介護の計画を立てるケアマネジャーと話す女性(左)。認知症になっても介護保険サービスを利用し、一人暮らしを続ける(兵庫県尼崎市で)

 兵庫県尼崎市の女性(89)は認知症が疑われ、2008年に要介護認定を受けた。介護保険サービスを利用し、今も一人暮らしを続けている。

 きっかけは女性の知人が、見慣れないリフォーム工事業者が女性宅に出入りしているのを見かけたこと。高齢者の総合相談窓口である市の立花南地域包括支援センターに連絡が行き、当時職員で現センター長の 頼末よりすえ 拓也さん(44)は「認知症かも」と感じた。離れて暮らす長男(67)に「介護保険の利用を考えましょう」と伝えた。

 申請は本人や家族が自治体の窓口に行う。地域包括支援センターなどに頼めば無料で代行してくれる。女性の場合もセンターが代行した。

 申請から約10日後、市の職員が「訪問調査」で自宅に来た。「支えなしで歩けますか」という問いに、女性は「腰や膝が痛くて歩きづらい」と回答。さらに「上着の脱ぎ着はできますか」「外出して一人で戻れますか」など、身体や認知の機能、生活動作など74項目について尋ねられた。

■7段階の要介護度

 訪問調査が済むと、その結果や、かかりつけの内科医など主治医の意見書を基に、保健と医療、福祉の専門家らが話し合い、どの程度の介護が必要かを示す「要介護度」が決まる。要介護度は「要支援1、2」と「要介護1~5」の計7段階で、段階に応じたサービスが利用できる。自立度が高いとして「非該当」になると、サービスは使えない。

id=20180205-027-OYTEI50005,rev=2,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

 女性は申請の約1か月後、歩行や金銭管理に介助が必要として最も軽い「要支援1」に認定された。以来、介護施設に通って食事や入浴などをして過ごす「デイサービス」と、ホームヘルパーに服薬や掃除などを手伝ってもらう「訪問介護」を利用する。

 認知症の症状は進行しているが緩やかで、女性は「デイサービスでのおしゃべりが楽しい」という。一人暮らしの生活もヘルパーらに見守られており、長男は「早く気づいてもらえ、助かった」と話す。

■日頃の様子をメモ

 訪問調査では注意すべき点がある。普段、一人では食事や着替えがうまくできないのに、自尊心や恥ずかしさから、本人が「できる」と答えてしまうことがある。要介護度が低く認定され、必要なサービスが受けられない事態にもなりかねない。

 対策として、頼末さんは「一人で起きあがるのに5分はかかる」など、家族が日頃の様子についてメモを作っておくことを勧める。「調査にはなるべく家族も立ち会い、介助の内容やその回数、気がかりな点などを具体的に伝えましょう」と助言している。

[専門家に聞く]認知症 チームで早期支援

 

  認知症が疑われても、本人に自覚がなく、要介護認定や受診を拒み、孤立するケースは多い。そうした人や家族に関わり、適切なケアにつなげる大阪市の「認知症初期集中支援チーム」で活動している医師、 辻正純つじまさずみ さん=写真=に聞いた。

 

id=20180205-027-OYTEI50007,rev=2,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

辻正純さん

 チームは医師と、看護師や介護福祉士ら医療と介護の専門職で構成しています。認知症が疑われる独居高齢者や悩んでいる家族を訪ね、適切な医療や介護につなげるのが主な活動です。地域包括支援センターや家族などを通じて相談を受けています。

 2015年に国家戦略の施策となり、この4月から全市町村で最低でも1チームずつ整備される予定です。大阪市は14年に試行を始め、16年度から全24区に1チームずつ、地域包括支援センターに配置しています。

 原則、半年を期限に支援を行います。本人の様子を見ながら訪問する時間帯や頻度を調整し、親しい人に同行してもらうこともあります。顔なじみになれば「健康診断に行きましょう」と促し、通院に付き添う場合も。家族には認知症の知識や接し方、家族会の情報を伝えています。

 そもそも家族がどこに相談すればいいのかわからずに困っているケースもあり、認知症への対応は遅れがちになります。診断や対応が早いほど、症状の進行を遅らせたり、家族ぐるみでその後の人生設計を考えたりと、安心につながりやすいことを理解してください。

<疑問や思い 募集します>
 「介護のいろは」は毎月1回の掲載です。介護に関する疑問や今後読みたいテーマ、介護に抱く思いも募集しています。〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「介護のいろは」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

シニアニュースの一覧を見る

最新記事