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大人の健康を考える「大人び」

コラム

薄毛・脱毛(2) 男性ホルモン深く関与

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  薄毛脱毛シリーズでは、毛髪再生医学が専門で大阪大寄付講座教授の板見智さんに聞きます。(聞き手・安田幸一)

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 髪の毛は何本あると思いますか? だいたい10万本から15万本です。髪の毛を作る頭皮の「毛包」という小さな器官から生えています。

 髪の毛は、ほうっておいても1日に50~100本は抜けます。頭皮の毛包のうち1割は、およそ3か月間の「休止期」に入っていて、そこから抜けていきます。でも残る9割の「成長期」の毛包がちゃんと働いていれば、薄毛にはなりません。

 頭皮が見えるほど髪が抜ける男性型脱毛症(AGA)は、休止期の毛包が増えるのが原因です。「テストステロン」という男性ホルモンが深く関わっています。

 毛包の奥深くには、毛の成長の司令塔となる「毛乳頭細胞」があります。テストステロンは、前頭部と頭頂部の毛乳頭細胞に届くと、ある酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。すると、細胞に作用して毛の発育を止めるシグナルを出してしまいます。DHTは女性にもわずかにあり、頭頂部の毛乳頭細胞に作用します。

 ちなみに、AGAの人でも後頭部は薄くなりません。後頭部の毛乳頭細胞は、DHTに反応しないのです。頭髪は薄いのに、ひげや胸毛など体毛が濃い人もいますね。DHTは、胸やひげの毛乳頭細胞には、逆に毛が成長するように作用するからです。なかなか思い通りにはいきません。

大阪大教授の板見智さん

【略歴】

板見 智(いたみ・さとし)

1952年生まれ。大阪大学医学部卒。マイアミ大学研究員、大分医科大学助教授、大阪大学助教授などを歴任し、2006年から現職。著書に「専門医が語る毛髪科学最前線」(集英社新書)がある。

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