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群大手術死 再教育なく医療継続 このままでよいのか?

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高梨ゆき子 医療部

 群馬大学病院で、患者の死亡が相次いでも手術を続けた執刀医と、それを容認した上司の元教授は、大学病院を去ってからも医療に携わっていると聞いています。手術はしていない、ということですが、このままでよいのでしょうか。厚生労働省は、彼らに対する医師としての行政処分について、「検討中」としています。

「職業倫理の欠如」「知識や技術が不十分」なら再教育は当然

群馬大学病院が遺族を対象に行った改革状況に関する説明会の後、弁護団とともに記者会見する遺族会代表の木村豊さん(中央、前橋市の群馬大学病院で)

群馬大学病院が遺族を対象に行った改革状況に関する説明会の後、弁護団とともに記者会見する遺族会代表の木村豊さん(中央、前橋市の群馬大学病院で)

 医師免許を交付する厚生労働大臣は、問題のある医師を処分する権限を持っています。最も重い医師免許取り消しのほか、業務停止や戒告の処分があります。ただ単に「処分しっぱなし」というわけではありません。処分後も医師を続ける人たちには、再教育のため、処分の内容により決められた研修を受けることが義務づけられています。

 かつては、行政処分を受けて医業停止になったとしても、処分期間中、特に何かをする必要はありませんでした。それでは十分な反省もせず、また元通りになってしまうのではないか、という指摘があり、行政処分と再教育がセットになるよう、2006年に医師法が改正されました(施行は07年)。そもそも処分を受けるのは、医師としての職業倫理が欠けていたり、診療の知識や技術が不十分だったりした人たちです。しかるべき再教育があって当然でしょう。

 群馬大で問題になった執刀医は、保険適用外の 腹腔(ふくくう)(きょう) 下肝切除を、必要な倫理審査も通さず、保険診療として行っていました。患者や家族にきちんと説明していなかったということも、多くの遺族が語っているところです。患者の死亡が相次いでいるのに、十分な振り返りをしないまま手術を継続したり、新しい技術に挑戦したりしていたことも、問題視されました。

 元教授はそれを知っていながら、この医師に手術を続けさせていました。別の医師が「危険だから () めさせたほうがいい」と進言したこともあったというのに、それを聞き入れなかったそうです。責任者の教授がしっかり管理していれば、このようなことは起こりませんでした。問題発覚後、病院のガバナンス(組織をまとめ管理すること)にどんな問題があったかを検証するため、群馬大が設置した有識者による改革委員会からは、教授として「指導力不足」と厳しく批判されています。

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