文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

ニュース・解説

【解説】認定外施設の歯止めきかず…「新型出生前検査」認定条件緩和へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
【解説】認定外施設の歯止めきかず…「新型出生前検査」認定条件緩和へ

 日本産科婦人科学会(日産婦)が新型出生前検査を一般診療として提供する方針を固めた大きな要因に、認定外施設の登場がある。

 2013年に米国から日本に入ってきた新型検査を巡っては、「無秩序に広がれば現場が混乱する」と考えた医師有志らが主導し、日産婦が、夫婦の意思決定を支える「遺伝カウンセリング」体制を条件にするなど、施設を限定する形で臨床研究として始まった。

 臨床研究での検査件数は年々増えてきたが、昨年、減少に転じた。16年に問題化した認定外施設が、日産婦の指針が認めていない病気を調べたり、年齢制限もなかったりするのを売りに、妊婦を集めた影響とみられる。日産婦などは中止を求める声明を出したが、歯止めをかけられず、今回の新たな方針につながった。

 ただし、それは新型検査が誰もが受けて当たり前の検査に近づくことを意味する。開始から4年半で、検査で陽性と確定した妊婦の97%が人工妊娠中絶を選んだ現実があり、どこまで受けやすくするかは慎重な検討が必要だ。夫婦の自律的な意思を尊重することは大切だが、今の社会では障害のある子を安心して産み育てられないと判断した結果ともいえる。障害のある人の就学や就労、親亡き後の暮らしなどの議論を置き去りにしてはならない。(医療部 加納昭彦)

          ◇

新型出生前検査 】 妊婦の血液で胎児の三つの病気の可能性を調べる。陰性なら99%の確率で病気はない。陽性の場合、結果を確定させる羊水検査が必要になる。研究組織によると、昨年9月までの4年半で5万1139件行われ、陽性と確定した人の97%に当たる654人が人工妊娠中絶を選んだ。費用は20万円程度。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事