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群大手術死 医師はなぜ行政処分されない

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群馬大再生のためにも反省させる仕組み必要

 でも、だからといって、どんなに杜撰ずさんな医療で重大な結果を招いても「おとがめなし」でよいものでしょうか。

 問題は、深刻な医療事故を起こした当事者の医師が、十分に反省し、同じことを繰り返さないよう学ぶことのできる最適な仕組みが確立していない、ということではないかと思います。群馬大手術死の遺族会の方々は誰もが、群馬大学病院が大切な医療機関だと考え再生を願っています。そして、医師不足に悩む地域も抱える地元のためにも、執刀医らには、よく反省してやり直してほしい、と思っている人もいます。

 これをきっかけに、行政処分のあり方も、再考すべきではないでしょうか。

【群馬大学病院の手術死問題】

 群馬大学病院第二外科で、同じ医師が執刀した肝臓の腹腔鏡ふくくうきょう手術を受けた患者8人の死亡が2014年11月に発覚した。いずれも保険適用外の高難度手術で、必要な倫理審査も通していなかった。その後、開腹手術の患者にも死亡が続発していたことが判明。このことは社会的に大きな問題となり、第三者からなる調査委員会が発足して調査が行われた結果、診療に数々の問題があったことを示す報告書が16年7月に発表された。大学側は問題を認めて謝罪し、病院改革に取り組むとともに、遺族への説明や補償を進めてきた。執刀医と元教授は大学から解雇(執刀医=懲戒解雇相当、元教授=諭旨解雇)されて1年後の17年7~8月、問題が発覚してから初めて遺族と面談した。

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【略歴】

高梨 ゆき子(たかなし・ゆきこ)

読売新聞医療部記者。

社会部で遊軍・調査報道班などを経て厚生労働省キャップを務めた後、医療部に移り、医療政策や医療安全、医薬品、がん治療、臓器移植などの取材を続ける。群馬大病院の腹腔鏡手術をめぐる一連のスクープにより、2015年度新聞協会賞を受賞。著書に「大学病院の奈落」(講談社)がある。

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