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[耳をいたわる](3)飛行機に乗った時は「耳抜き」

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 飛行機に乗った時に耳が痛くなることがある。なぜこんな現象が起こるのか。

 鼓膜の奥には、中耳と呼ばれる空間があり、外から入ってきた音を内耳に伝える。外界の側は鼓膜でふさがっているが、のどの奥へは、耳管と呼ばれる管が通っている。耳管を通じて中耳内の気圧と外の気圧の調整をする。

[耳をいたわる](3)飛行機に乗った時は「耳抜き」

 かぜや鼻炎などで鼻の奥の血管が腫れると、耳管が開きにくい「耳管 狭窄きょうさく 症」になり、この状態で飛行機に乗り、外気圧が急激に変化すると、調整が間に合わず、鼓膜を引っ張られて痛みを感じる。これが「航空性中耳炎」だ。

 気圧は、標高が高くなるにつれて低くなる。高い山の上で、下界で購入したスナック菓子の袋がふくらむのはこのためだ。

 航空性中耳炎は、飛行機の下降中に起こりやすい。中耳内が上空に合わせて低い気圧になったのに、下界に近づくにつれて外気圧が高まり、鼓膜が外から押されてしまう。

 どう対処するか。国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科研究員(元科長)の杉浦彩子さんによると、軽症なら、アメやガムを食べて唾をのみこめば、耳管が開く。着陸前は眠らない方がよい。鼻をつまんで口を閉じたまま息を吐き、耳の奥に空気を送り込む「耳抜き」=イラスト参照=も有効だ。ダイビングでも行う気圧調整法だが、強くやりすぎると耳を傷める。

 鼻炎などがある場合は、搭乗前に血管収縮薬を鼻に差し、耳管がつまらないようにしたい。(竹井陽平)

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