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目がかゆくなる結膜炎、ウイルス性は感染の危険性…原因に合わせ対処を

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 目がかゆくなる結膜炎は、花粉などのアレルギー物質、ウイルス、細菌が原因で発症します。ウイルスは周囲の家族や友人などにうつしてしまう危険性があるので、特に注意が必要です。(松田俊輔)

なぜ起きる?

 

目がかゆくなる結膜炎、ウイルス性は感染の危険性…原因に合わせ対処を

 結膜は、上下のまぶたの裏側と白目の部分の表面を覆っている半透明の膜です。目が外界と接するため、異物の侵入を防ぐ免疫細胞が集まっています。

 結膜がアレルギー物質やウイルスなどにさらされると、異物から身を守るため免疫細胞が活発になって炎症が起きます。

 アレルギー物質で発症する結膜炎のほとんどは、スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が原因です。

 ウイルスの場合で多いのは、アデノウイルスの感染で起こる「流行性角結膜炎(はやり目)」と「咽頭結膜熱(プール熱)」。エンテロウイルスに感染すると、「急性出血性結膜炎」を起こすことがあります。

 細菌性の結膜炎は、空気中にただよう肺炎球菌などによるもので、主に免疫力の弱い高齢者や子供が発症します。

 

症状は?

 

 共通する症状は、目の充血やかゆみ、目やになどです。

 アレルギー性の場合、強いかゆみが特徴で、目をかけばかくほど症状が強くなります。結膜に粒状の盛り上がりができるため、異物感を訴える人も多いです。

 「はやり目」では、耳の前やあごの下にあるリンパ節が腫れることがあります。「プール熱」では、目の症状よりものどの痛みや39度前後の熱などが強く出ます。エンテロウイルスの感染では、結膜の細い血管からの出血が見られます。ウイルス性の結膜炎は、目やにがサラサラしていることが多いのも特徴です。

 細菌性では粘り気のある目やにが出ることが多く、症状が片方の目だけに出ることもあります。

 

どう治すの?

 

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 まず、眼科医の診療を受けてください。目薬を使うのが基本ですが、原因に合わせて使い分けるので、専門医の診断が必要です。

 アレルギー性の場合、アレルギー反応を鎮める抗ヒスタミン薬や、炎症を抑えるステロイド薬を使うのが一般的です。

 ウイルスに効く特効薬はほぼありません。感染力が強いため、かかると登校などができなくなります。他人に感染させる期間が過ぎるまで、家で安静にしておく必要があります。免疫力が落ちるので、他の細菌への感染を防ぐため抗菌薬が処方されることもあります。

 細菌性の場合は、抗菌薬で菌の増殖を抑えます。

 ウイルス性だと1~2週間、細菌性だと3~4日で治ります。

 

予防には?

 

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 アレルギー物質を防ぐには、マスクやゴーグルの着用が有効です。外出後、衣服などに付いた花粉を十分に落とすことも有効です。目を洗うと、目の表面を傷つけてしまうこともあるため、あまり勧められません。

 ウイルス性結膜炎は、目をこすった手やタオルなどに触れて感染します。患者はうつさない、家族はもらわないよう意識を持って生活してください。

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