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介護施設整備基金が低調、利用16%…人材不足で

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介護施設整備基金が低調、利用16%…人材不足で

 「介護離職ゼロ」を目指し、特別養護老人ホームなどを全国で整備しようと、政府が2015年度補正予算に計上した「地域医療介護総合確保基金」約1406億円のうち、17年度までの2年間で使われるのは約221億円にとどまっていることが読売新聞の調査でわかった。

 事業拡大に意欲のある介護事業者と、現場で働く人材の不足が主な理由。政府はこの基金で20年代初めまでに10万人分の介護の受け皿を整備する方針だが、現状では9000人程度と目標の約1割で、実現は難しいとの見方も出ている。

 調査は17年11月から12月にかけて、47都道府県に対して、16年度と17年度(見込み)における基金の利用状況と整備した介護施設の種類と定員などを尋ねた。

 その結果、基金の利用額は、見込みも含めて計約221億円。基金総額に占める割合は約16%だった。整備する9000人分の内訳は、7割弱を特養が占め、認知症グループホームは2割弱だった。

 基金の利用が低調な理由(複数回答)では、「(経営が厳しいなどの理由で)事業者が集まらない」、「介護人材の不足」が47都道府県で5割弱。すでに計画中の施設整備で手いっぱいだったり、施設が増えることで介護費用が上昇し、住民の介護保険料が上がることを懸念したりする自治体も多かった。

 地域別では、特養待機者の多い都市部での利用が低調だ。16年4月時点で1万人以上の待機者がいる都道府県は八つあるが、このうち、東京、神奈川、新潟、愛知、大阪は基金の活用が全くなかった。厚生労働省高齢者支援課は、「基金は、都市部などでの受け皿整備を進めるものだけに利用が進まないのは残念。対策を検討したい」としている。

          ◇

地域医療介護総合確保基金 】 医療と介護の受け皿整備と人材確保を行うための基金。介護施設の整備では、都道府県が主に市区町村を通して、建設費などの一部を事業者に補助する。補助率は自治体や施設種別によって異なる。補助対象は、特養のほか、24時間体制で緊急の呼び出しに応じる在宅サービスなども含まれる。

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