医療大全
医療大全
増える心不全(5)Q&A 息切れや体重増は要注意
高齢者に多い心不全について、日本循環器学会代表理事で、東京大学教授の小室一成さん(60)に聞いた。
――心不全の患者が増えているとか。
「現在の患者は約100万人ですが、高齢化に伴い、2035年頃まで増え続けると推計されています。感染症の急拡大に例えて『心不全パンデミック』ともいわれます。日本では30年以上にわたってがんが死因のトップですが、75歳以上では循環器の病気で亡くなる人の方が多いです。中でも心不全は重要です」
――そもそも心不全とはどういう病気ですか。
「高血圧や心筋 梗塞 、不整脈、弁膜症などの病気により、心臓の働きが悪くなった状態で、あらゆる心臓病の終末像と言えます。ただ、そう言われても一般の方にはわかりづらいので、学会として昨年10月、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義しました」
「いったん発症しても、適切な治療で症状は改善します。ただ、完治することはありません。過労やストレス、塩分や水分の取りすぎ、風邪などにより再発します。悪化と改善を繰り返しながら、徐々に機能が低下します。経過は悪く、心不全で入院したことのある人は5年間で半数が亡くなっています」
この記事は読者会員限定です。
読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
【関連記事】