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[耳をいたわる](2)大人は掃除しすぎ禁物

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 高齢者や外耳道が狭い小児は耳あかのたまりすぎが問題になるが、耳の病気などがない成人では、過度の耳掃除は禁物だ。

[耳をいたわる](2)大人は掃除しすぎ禁物

 そもそも耳あかとは何か。外耳道を覆う皮膚が古くなったものや、保護・保湿のために分泌される粘液、ほこりや砂などがまざったものが耳あかになる。

 国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科研究員(元科長)の杉浦彩子さんによると、外耳道の奥にある皮膚は外側へとベルトコンベヤーのようにゆっくりと移動しており、これにあごの動きなどが加わった「自浄作用」が働けば、自然と耳あかは排出される。

 毎日のように耳掃除をしたり、硬い耳かきで奥の方をガリガリこすると、外耳道に傷がついたり、炎症が起きたりして、自浄作用を妨げてしまう。

 転んだり、子どもや犬がぶつかってきたりして鼓膜を破るような事故も起きている。東京消防庁によると、2012~16年の5年間に耳掃除中の事故で364人が救急搬送された。

 アメリカの耳鼻咽喉科頭 けい 部外科学会は17年の指針で「耳あかを奥に押し込めるだけで、外耳道を傷つけている」などとして、耳掃除のやり過ぎに注意するよう求めている。

 欧米では点耳薬で耳あかを溶かして洗い流すことが推奨されているが、日本ではまだ一般的ではない。

 このため、杉浦さんは耳掃除の注意点として、〈1〉2週間に1回程度にする〈2〉綿棒にはベビーオイルなどを塗り、耳の穴の入り口付近を軽くぬぐう程度にする〈3〉事故が起きないように周囲に十分注意を払う――をあげている。

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