文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

「冬の汗」は夏よりクサい 対策は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

冬の満員電車が臭うワケ

20180116-gomi1

 木枯らしの戸外から暖かい部屋に入ってコートやセーターを脱いだとき、ワキのあたりからプーンと生臭いニオイが漂うことはありませんか?

 厚着をして満員電車に乗り、暖房と人混みに包まれるときににじみ出る汗が、夏より臭く感じたことはありませんか? 

それが冬特有の「汗臭」です。さらにコートやセーターがかび臭いようなら、そちらは衣類についた「付着臭」です。

冬は汗をあまりかかないので、ニオイ対策を軽く見がちですが、じつは冬の汗のニオイは夏より強い。冬の汗は夏と質が違うからです。夏と冬の汗それぞれのミネラル類(ナトリウムなど)を比較したところ、冬の汗は夏より約2倍も多く含まれていることが分かりました。

汗腺機能が落ちてネバネバ汗が

 汗の原料は、汗腺が血管からみ取った血液です。汗をたくさんかく夏は汗腺の活動がよく、血液成分が少ないサラサラ汗をかきやすい。これに対し、あまり汗をかかない冬は汗腺の機能が落ちて、成分が濃いネバネバ汗をかきやすいのです。しかも保温性を重視し、通気性を抑えた衣服の重ね着をすれば、汗が衣類内にこもって濃度がさらに上がります。こうして濃縮された汗のニオイが、コートやセーターを脱いだとたん一気に出て、むっと生臭い「冬の汗臭」となるのです。

 しかも、冬のコートやセーターは夏物よりも洗濯する機会が少ないため、染み込んだ汗や皮脂が酸化したり雑菌が繁殖したりすると、かび臭い衣類の「付着臭」になります。外出先のたばこの煙や食事の油のニオイなどが衣類にこびりつくと、さらに不快なニオイをつくってしまいます。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

gomi-200px

五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」の一覧を見る

最新記事