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視野がゆがむ黄斑(おうはん)の病気

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視野がゆがむ黄斑(おうはん)の病気

 目に入った光は水晶体などで屈折し、目の内側をおおっている網膜(光を感じる膜)に達した後、脳で認識される。網膜のほぼ中心にあり、他の部分より少し黄色く見える部分が黄斑(おうはん)である。ものの詳細を見分けたり、文字を読むのに非常に大切な場所である。その黄斑が障害されると、視野の中心がゆがんで見えたり、見えにくくなるなどの著しい視力低下をもたらす。バイエル薬品株式会社主催の記者勉強会で東邦大学医学部眼科学講座講師の柴友明氏は、生活を脅かす黄斑の病気の特徴について解説した。

日常的な自己チェックを

 黄斑に障害を来す病気には、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症などがある。

 加齢黄斑変性症は、黄斑の加齢性の変化によって視力が低下する病気で、超高齢社会で患者が大幅に増えている。ものがゆがんで見え、中心視力が低下、症状が進展すると重い視力障害に至る。日本では高齢者の視力障害の要因になっている。

 50歳以上の一般住民を対象にした福岡県の久山町研究では、加齢黄斑変性症は50歳以上の約1.2%に見られ、1998年から2007年の10年間で約2倍に増加している。海外に比べて日本では男性に患者が多い。男性の喫煙率の高さが原因と考えられている。

「加齢黄斑変性症は、自己チェック用のチャート(図)を用いて早期の発見が可能。とりわけ高血圧などの生活習慣病がある人は、まだ見えると自己判断せずに、日常的にチェックを行うことが何よりも重要だ」と、柴氏は注意を促す。

図. 自己チェック用チャート

図. 自己チェック用チャート

誰にでも起こりうる糖尿病網膜症

 なぜなら黄斑の病気は、高血圧などの生活習慣病、糖尿病が原因となるのが特徴であり、誰にでも起こりうるからだ。とりわけ、世界的に増加する一途の糖尿病による血管合併症の中で、最も頻度が高いのが糖尿病網膜症である。上記の久山町研究では、糖尿病患者の15%が網膜症を合併していると報告されている。

 日本の成人の失明原因の多くが糖尿病網膜症である。網膜は、糖尿病による高血糖の影響を強く受けて病気が生じやすくなる。血糖が高い状態が続くと、網膜の細い血管は損傷を受け、変形したりつまりやすくなる。糖尿病になってから数年以上をへて発症するため、かなり進行するまで自覚症状がないこともある。眼科と、血糖管理などを行う他の診療科との連携が重要である、と柴氏は呼び掛ける。

(あなたの健康百科編集部)

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