文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

介護のいろは

連載

[介護のいろは](1)生活不安 どこに相談?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 「介護は、突然訪れる」とよく言われます。自分や家族が高齢や病気などで自立した生活が難しくなった時に戸惑わないよう、これから月1回、介護にまつわる基本知識や役立つ情報を紹介していきます。初回のテーマは「介護が必要かどうか悩んだら?」です。(辻阪光平)

地域に窓口 心身チェックも

 ■ 25項目リスト

 大阪府大東市内で一人で暮らす小杉サト子さん(89)は数か月前から腰が痛み、歩くのがつらくなった。家事は何とかこなすが、「転んだら大変」と、近所のスーパーに買い物に行くのをためらうように。近くに住む息子が食材を買ってきてくれるものの、「今後のことを考えると、心配になってきた」。

[介護のいろは](1)地域に窓口 心身チェックも

チェックリストを基に、食事の量の変化や外出の頻度について大西さん(左)の質問に答える小杉さん(大阪府大東市で)

 不安な思いを、高齢者の集まりの場で居合わせた市西部地域包括支援センター所長の大西恵子さん(61)に伝えると後日、自宅を訪ねてくれた。

 地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者のための総合相談窓口だ。おおむね中学校区に一つある。介護、医療、福祉の3分野の専門家がいて、「介護を受けずに元気でいたい」「自分に介護が必要な状態かどうかが気になる」など、地域の高齢者やその家族からの相談に無料で応じてくれる。

 「介護保険でなく、介護予防のために市が行うサービスもある。利用できるかを調べましょう」。大西さんは、日常の動作や生活機能などを確認するための「基本チェックリスト」(25項目)を取り出し、小杉さんに質問。結果、「バスや電車で1人で外出していますか」「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」など10項目に、機能低下を示すチェックが入った。この回答状況から心身の衰えなどが判定され、訪問から3日後、介護予防サービスが利用できることになった。

id=20180111-027-OYTEI50001,rev=2,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 大西さんの勧めで、小杉さんは現在、介護施設で行われている、足腰を鍛える運動ができるサービスを週1回利用する。1回の費用は約400円で、車の送迎もある。「近所のスーパーに行けるようになるのが目標」とほほ笑む。

手続き代行も

 小杉さんの場合、日々の暮らしの中で偶然、地域包括支援センターにつながったが、センターを直接訪ねることももちろん可能だ。電話で相談すると、状況によってはセンターの職員が自宅に足を運んでくれる。相談の中で、介護保険サービスが必要な状態だと見込まれる際や、高齢者側がサービスを受けたいという希望がある場合は、手続き(要介護認定の申請)の代行もしてもらえる。

 最寄りのセンターの連絡先は、市町村の介護担当窓口に尋ねればわかる。「料理や買い物がしんどい、口の渇きが気になるなど、体調の変化や生活の不便さを感じたら遠慮せずに相談を」と大西さんは話している。

[専門家に聞く]元気なうちに情報収集を

  介護保険とはどういうものか。窓口に相談に行くタイミングとは――。介護の計画を立てる専門職の「ケアマネジャー」らでつくる大阪介護支援専門員協会副会長の横手喜美恵さん=写真=に聞いた。

◇ 

id=20180111-027-OYTEI50003,rev=2,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

 介護保険制度は介護を社会全体で担おうと、2000年に始まりました。市町村が「介護が必要」と認定した65歳以上の人たちに、自宅や施設での食事・入浴の介助、リハビリなど必要なサービスを提供し、生活を支える仕組みです。利用者は原則、かかった費用の1~2割(今年8月からは1~3割)を負担します。

 若いから無関係とは言えません。末期がんや関節リウマチなど特定の病気の場合に限られますが、40歳以上から利用できます。

 介護保険は動けなくなってから使うものとイメージされがちですが、実際、窓口での相談を通じて地域の健康づくりの活動を知り、新たな交流に刺激を受けて活動的になる人もいます。物忘れがひどくなった、生活がつらくなったから相談するというだけではもったいない。むしろ元気なうちに人生を長く楽しむための情報を求めて窓口に行く。「人生100年時代」を迎え、そうした発想が求められています。

<疑問や思い 募集します>
 「介護のいろは」は毎月1回の掲載です。介護に関する疑問や今後読みたいテーマ、介護に抱く思いも募集しています。〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「介護のいろは」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

連載の一覧を見る

介護のいろは

最新記事