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小遣い制 金銭感覚を養う
お年玉 使い道にルールを
子どものお金の管理は親にとって悩みどころだ。金銭感覚を養うのに有効な小遣い制など、将来にも役立つお金の使い方について、親子で考えたい。お年玉など子どもがまとまった額のお金を手にした時の使い道についても、ルールを決めておこう。
東京都内の広報コンサルタント、宮崎晴美さん(41)は、小学2年の長男(7)に、地域の祭りなどの時、必要に応じてお金を渡している。「小遣い制を2か月試しましたが、今は中止しています」
長男が自分の小遣いで菓子などを買うのに対し、次男(3)の分は親が買うなど、兄弟のバランスがとれない気がしたためだ。兄が小遣いで買い物をすると、弟も同じようにしたがったという。「小遣い制を再開したいと考えていますが、どのタイミングがいいのか考えあぐねています」と宮崎さん。
「親子のマネーカウンセラー」として、お金に関する子育てのアドバイスを行う鶴田明子さんは、なるべく早く再開するよう勧める。「必要に応じてお金を渡していると、いつまでたっても買う物が本当に必要なのかどうか、子どもが見極めることができません。大切なのは、子どもが買うか我慢するかを自分で判断することです」
ファイナンシャルプランナーの竹谷希美子さんも「小遣い制はきちんとした金銭感覚を養い、計画性も育みます。例えば、小学校に入学したら始めてみては。上の子が始める時に、弟や妹に対しても、小学生になったら始めることを、きちんと話してください」とアドバイスする。
小遣い制を始めてしばらくは、お金のやりくりが上手にできないことも多い。その時は責めたり叱ったりせず「次はどうしたらいいかな?」などと問いかけ、子どもが失敗から学ぶよう促す。小さな失敗を繰り返すことで、将来的に金銭面での大きな失敗を防げるという。
小学6年の長女(12)、同3年の次女(8)を育てている福岡県の会社員女性(43)は毎月、長女に600円、次女に300円の小遣いを与えているが、「子どもたちの欲しいものがあまりなく、お金を使う機会が少ない」と話す。
鶴田さんは「子どもが欲しがる物だけではなく、学校で使う文具など必要な物をリストアップし、その金額を小遣いに上乗せさせ、買わせてもいい」と話す。
お年玉をもらうなど、普段の小遣いとは別に子どもの懐が潤う時期。まとまったお金の使い道については、親子でしっかり話し合おう。竹谷さんは「例えば、総額の2割を貯金するルールにして、それ以外は小遣いでは買えなかった物に充ててはどうか」と提案する。総額2万円なら4000円を貯金し、1万6000円は欲しい物に使う。鶴田さんは「銀行などに子どもの口座を開設し、預ける経験をさせてもいい」と話す。
子どもがお年玉で買い物をした際には、もらった人に何に充てたのかを書いた礼状を出させる。誰からのお金を使ったのかは気にせず、全員に礼状を出そう。
■小遣い制のポイント
・ 小学校入学時が始める目安。就学前でもかまわない
・ 子どもが無駄遣いや小さな失敗をしてしまうのは当然と考える。困った時は親に必ず相談させる
・ 年齢が上がったら、欲しい物だけでなく、学校で使う文具など必要な物への金銭管理を任せてもいい
(鶴田さん、竹谷さんの話を基に作成)
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