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聴覚障害のキックボクシング王

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聴覚障害のキックボクシング王

撮影・林陽一

  ごうしゅうまさのぶ さん 31

 10月、格闘技「K―1」傘下の「クラッシュ」60キロ級タイトルマッチ。最終3ラウンド残り15秒。相手のひざ蹴りに反応し、左ストレートをたたきこんだ。ダウンを奪い、判定勝ちした。

 「耳が聞こえなくても王者になれることを証明できた」。手話通訳者を介し、招待した約30人の聴覚障害の子どもにも呼びかけた。

 両親は聴覚障害を持ち、自身も小学生でほとんど聞こえなくなった。健常児の中でいじめられたこともあったが、運動神経は抜群。野球強豪校に入り、甲子園の準決勝で安打を放った。

 K―1にあこがれてキックボクシングを始めたのは高校卒業後。2010年にデビューし勝利を重ねた。

 歓声の中、パンチ音も相手の息づかいも、ゴングも聞こえない無音の世界にいる。しかし、一人で闘っているわけではない。指導者は唇を大きく動かして指示を読み取れるようにしてくれる。手話の指文字を覚えたジムの仲間もいる。

 「聞こえないからこそ、多くの出会いがあった。自分一人の力ではここまで来られなかった」。勤務先の不動産会社公認で、毎日午後から練習を続ける。

 将来、格闘技のジムを開き、聴覚障害の子どもを指導するのが夢だ。

 1986年神奈川県生まれ。K―1ジム総本部(東京)所属。通算23勝6敗。

 (医療部 石塚人生)

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