教えて!ヨミドック
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やる気を起こすには?
まず行動 意欲を刺激
Q 勉強しなくちゃいけないんだけど、「やる気」が出ないなあ。心が弱いのかな。
ヨミドック 「行動するには、やる気が必要」という考えは、脳科学的にはナンセンス。やる気など意識せず、まず「行動」する方が、結果的に、やる気や意欲を刺激する可能性が高まります。
Q 脳科学の考え方なの?
ヨ そうです。脳科学では、私たちが「心」や「気持ち」と思っているモノの大半を、外部からの刺激に対する「脳の反応」と捉えるそうです。自発的にみえる意志も、外の出来事に呼応して浮かんだものと考えます。だからまず行動することが大事。作業に伴い思考が巡り、案外集中できたということは、思い当たる経験では。
Q でも、最初に始めるまで気が重いな~。
ヨ 確かに、一番エネルギーを要するのは着手するまででしょう。大量に課題があったり、上手に仕上げようとしたりすると、心理的プレッシャーから始められないというのはよくあります。
Q どうすればいい?
ヨ 当面やる作業や時間の目安を短く区切ると、心理的な負担感を減らす効果が期待できます。まず簡単な作業から始めてペースをつかむ習慣を作れれば理想的ですね。
Q 何日もかかる課題もあるんだよ。
ヨ 意外かもしれませんが、「切りのよいところで止まらない方がよい」という説があります。次に着手する際、やりかけの方がスムーズに入れるから。切りのよいところから少し進んで休む癖をつけるとよいかもしれませんね。
Q 終わったら、特別なお菓子を食べようっと。
ヨ 「ご褒美」を用意するのも悪くないでしょう。ちなみに、マウスの実験で、迷路で正しい方向に進む学習効果が最も高いのは、進むべき方向に餌(アメ)のみを置く場合でした。間違った方向に嫌な物(ムチ)を置くと、正しい方向にアメがあっても、動こうとしなくなるケースが増えました。積極性や意欲を高めるにはムチではなくアメ。人間の心理にも通じるところがありそうです。
(高橋圭史/取材協力=
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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