わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
様子見を悔やむ
川崎市 無職 男性 70
妻は、ある病院の複数の診療科に通院している。
循環器科の日、「風邪気味で首に腫れがある」と訴えた。抗生物質の投与や、肺炎を疑ったCT(コンピューター断層撮影法)で1か月半近く様子見をしているうち、リンパ節が腫れてきた。痛みに耐えかねて総合内科に行き、総合病院を紹介された。PET(陽電子放射断層撮影)検査をし、1週間後の検査結果を受けて入院。その2日後、がんを宣告された。この間、わずか3か月だった。
最初の病院での1か月半の様子見を悔やむばかりだ。
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おそらくCTとは胸部CTでしょうが、首のリンパ節が写るように撮像されていたかは気になります。 首が腫れていることと、首のリンパ節が腫れていること...
おそらくCTとは胸部CTでしょうが、首のリンパ節が写るように撮像されていたかは気になります。
首が腫れていることと、首のリンパ節が腫れていることと癌の存在にはギャップがあります。
首のリンパ節の腫れが主なのか、従なのか、あるいは癌と無関係な腫脹なのか、頸部その他の癌なのかリンパ系の癌なのか本文ではわかりません。
頸部腫脹に関して、経過観察や軽微な薬剤での改善がない場合、画像診断以外も含めて、各種検査でより悪性度や重症度の高い疾患を疑い、絞り込んでいくわけです。
ちなみに、PET-CTの有用性が示唆されているようにも見える本文ですが、これは画像診断医と一般医師、一般人で意見の分かれるところではないかと思います。
高額で、機能も多い検査の方が一般ウケはしますが、CTそのものの診断やPETにおける疑陽性や偽陰性を理解していないと、癌の誤診や無駄な検査に繋がります。
また、放射線被ばくの確率的影響を考えれば、PET-CTなしで診断確定に至るほうが理想的ではあります。
科学的真実と真実と信じられていることの差の持つ意味を理解しておくと、より安価で質の高い医療を受けやすくなります。
金で買えるのは医療サービスの選択肢であって、質そのものではないのです。
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循環器科は内科から独立しました。
miikun
ご同情申し上げます。 私が医師になった30年ほど前には、循環器科は内科の一分野だったのですが、いつの間にか内科から独立してしまいました。 消化器...
ご同情申し上げます。
私が医師になった30年ほど前には、循環器科は内科の一分野だったのですが、いつの間にか内科から独立してしまいました。
消化器科や呼吸器科も同様です。
これは医師の間では暗黙の了解ですが、一般市民には全く知らされていません。
医療機関の看板を見る際にはくれぐれもご注意下さい。
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