ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[女優 紺野まひるさん](下) 「子宮筋腫」「高齢出産」 乗り越えて2児の母に
離島ロケの船上で腰を強打 骨折で降板
――2002年に宝塚を退団して、心にぽっかり穴が空いたんじゃないですか。
それはありました。毎日稽古があって、本番の舞台があるという生活がぱたっとなくなって、毎日一緒だった仲間ともう会わない生活というのは寂しかったですね。ずっと先々まで決まっている仕事が「ああ、ないのかな」と思うと、気が楽になる部分もありましたが、何か寂しい部分もありました。
――でも、翌年にはNHKの連続テレビ小説「てるてる家族」で全国区の人気を得ました。
宝塚をやめて2~3か月後ぐらいにオーディションがあり、出演が決まりました。大阪制作だったので、私は自宅から通っていたのですが、出演者はホテル住まいが多くて、夜はご飯を一緒に食べたり、合宿みたいな雰囲気だったり。結束力が固くて楽しかったです。
収録のスケジュールは過酷でしたが、私は大丈夫。やっぱり体が強いのだと思います。あまり寝られないときも、「こんな日がいつまでも続くわけではない」と割り切っていました。今の子育てでもそうなのですが、夜中に起こされることがあっても、これが永遠に続くわけではないと思うと、あまり苦痛に感じないんです。
――ポジティブですね。でも、順調に女優人生を歩み始めた2005年、腰を骨折されています。
ドラマ「瑠璃の島」に出演した時、ロケ場所が離島で、移動のために小さい船に乗ったんです。それがものすごく揺れて、とんがった角に腰を打ったんですよ。痛い!って、目の前に星が散りました。
宿泊先で寝たら、もう起き上がれなくなってしまった。近くの部屋にマネジャーがいたんですけど、離島だから携帯は圏外でつながらない。食事の約束の時間に現れないからと、マネジャーが来てくれたのですが、部屋の外から呼ばれても痛くて声も出ないのです。合鍵を借りて、ドアを開けてくれたマネジャーに、「すみません、歩けません」。
それで救急病院に行ったら、そこでDr.コトーみたいな 素敵 な先生が見てくれて、「ちょっとひびが入っているかな。でも、島ではレントゲンぐらいしかないから大きな病院に行って診てもらったほうがいいと思う」と言われました。結局、ドラマは降板しました。
腰にある本当に小さな骨の突起なんですけど、それにひびが入っていました。治すには、手術とかではなくて、「絶対安静」ということでした。自宅のそばの病院に3~4週間、生まれて初めての入院。もうびっくりです。元気なのに腰だけが動かない。ただ、院長先生がすごく明るく、「寝ているしかないんだから」と言ってくれるので救われました。
肥大していく筋腫 摘出へ
――出産を2度経験。第1子は2012年、35歳の時でした。
私は以前、子宮筋腫を取っているのですね。長女出産の2年前ぐらいなのかな。1回お 腹 を開腹して子宮も切っているから、先生が安全を期して帝王切開にしたんです。
――子宮筋腫を患ったのですか。
そうなんです。すごく大きかったみたいで、びっくりしました。昔から、筋腫があるというのは知っていたのですが、年々肥大して。これだったら、「いずれ妊娠した時に赤ちゃんも、いづらいだろうな」と思い、医師にも勧められたので摘出しました。
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