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どうする? 仕事と出産(4)どちらも諦めないで!

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働き方改革というチャンス…少子化ジャーナリスト、作家 白河桃子さん

どうする? 仕事と出産(4)どちらも諦めないで!

写真=活発な意見が交わされたトークショー(昨年11月28日、読売新聞東京本社で)=高梨義之撮影

  大森  働き方が変われば、子供を産みやすくなるのかなと思います。不妊治療にも通いやすくなりますし。

  東尾  お茶会で話したときに、治療と仕事のバランスを取るのがストレスで仕事をやめたのだけれども、「治療オンリーになると余計ストレスがたまった」という人がいました。反対に、やめてすっきりして「前向きに考えられた」という人もいました。

  白河  それぞれです。上司が1人変わっただけでも、全く違ったりするので。仕事と妊活のどちらかをあきらめることはないと思うんですよね。

   私は35歳で妊娠しました。大学院に入ったところでした。トライし始めたらすぐにできたので、妊活歴は短いんです。ちょっと休んだけれども、博士論文は書くわ、生活のために働くわで、やってみたら両立しちゃった。諦めることはないと思うんですよね。

  大森  職場や社会の支援も必要だと思います。

  白河  めっちゃ必要です。でも、そのためには対話したり、声を上げていかないと。働き方改革の大義名分に乗じて、今は自分の望む働き方を実現するチャンスなんです。今の会社では、早く帰りましょうとか、休暇を連続で5日以上とらなきゃとか、人事は発信している。マインドが変わるのにはまだ少しかかるけれど、現場を巻き込んでいかないと。

会社も不妊治療に理解を…丸の内の森レディースクリニック院長 宋美玄さん

  大森  妊活中というのを周りに話せないという声もありますね。

  東尾  話して、「じゃあ妊娠してやめるの」って言われることもある。会社に伝えないまま、ただ「寝坊が多い人」になってしまっている人が多いですよね。

   妊活って、宣言したから絶対にできるとは限らない。できるかどうかわからないのに、私、子供が欲しいんですって言いにくい。

  大森  会社に伝えても、不妊治療の現実が理解されないことがあります。卵子の育ち具合によるから、事前に予測ができない。それで頻繁に休むと、「何だあいつは」となっちゃう。

   それに、治療はどこも混んでますよね。半日がかりは当たり前。

  東尾  お金もかかるし。

   私は企業の側に、不妊治療に通いやすいよう、仕事時間内でも抜けられる制度にしてほしいと働きかけています。

  白河  がんの人が治療しながら働けるよう、国は職場での配慮を求めています。介護をする人も多くなる。これからは、みんなが何かしら、訳ありで働く。お互いさまなんです。

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