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着床前検査(5)「命の選別」に様々な意見

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着床前検査(5)「命の選別」に様々な意見

苛原さん

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大谷さん

 体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す着床前スクリーニング(PGS)を社会に認めてもらおうと、不妊治療を経験した女性らが9月、患者会を結成した。

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人の誕生にどこまで技術的な介入が許されるのか、議論が求められている。顕微授精の様子(大谷レディスクリニック提供)

 PGSは、流産を防いだり、子宮に移植できた受精卵あたりの妊娠率を高めたりすることが期待され、米英など40か国以上で認められている。一方、日本では命の選別につながる懸念があるとして、日本産科婦人科学会が会告(指針)で禁じている。

 約400人の患者会は、学会指針に反してPGSを続け、6月に3年間の会員資格停止処分を受けた、大谷レディスクリニック(神戸市)の大谷 徹郎てつお さんの元患者たちが多くを占める。

 会結成の記者会見に集まった関係者の中には、熊本県に住む会社員A子さん(40)の姿もあった。4回の流産の後、PGSで染色体に異常のなかった受精卵を子宮に戻して赤ちゃんを授かった。A子さんは「私のように流産に苦しむ女性が減るよう、実施できる医療機関が全国に増えてほしい」と涙ながらに訴えた。

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