文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

口臭の悩み(中)ニオイをなくす方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

使い古した歯ブラシで歯茎磨き

 食べ物の残りかすで口の中が汚れていると雑菌が繁殖しやすいので、正しい歯磨きをして 歯垢しこう や汚れをきちんと掃除します。歯磨きで取れない歯間の食べかすは、市販の「歯間ブラシ」を使ってきれいに掃除します。

 正しいブラッシングのコツは、エンピツを持つように親指と人さし指と中指で軽くにぎり、腕ではなく、手首を使って小刻みに動かします。歯ブラシが届きにくい奥歯から磨き始め、上歯の裏面から前面に、次に下の歯の裏面から前面へと、順序を決めてルーティーンにすると磨き残しが防げます。

 口臭対策には「歯茎磨き」も大切です。口臭をつくる細菌は、歯と歯茎の間や歯茎の表面でも繁殖します。「歯茎磨き」には、歯茎を傷めないように軟らかめの歯ブラシを用意します。使い古した歯ブラシを捨てないで「歯茎磨き」専用に使用するのもよいでしょう。そっとやさしく上下の歯茎の前後をブラッシングします。

 私自身が実践しているのは、ブラシに歯磨き粉をつけた上に、ヨード系のうがい薬をほんの少量垂らしてブラッシングする方法です。雑菌の繁殖を抑えるのに有効で、虫歯の予防にもなりますよ。

「自己臭妄想」の可能性も

 以上は、口臭のほとんどを占める生理的口臭の対策です。それでも強い口臭が続くなら「病的口臭」を疑って、まず歯科を受診してください。虫歯や歯周病であれば、治療によって口臭は解決します。

 歯科で異常がないなら、今度は内科で、糖尿病や胃腸疾患、肝臓や腎臓の異常がないかを診てもらってください。治療により、病的口臭は改善します。

 それでもまだ気になるようなら、「自己臭妄想」や「口臭恐怖」の可能性もあります。その場合は、精神的なケアが必要です。(五味常明 五味クリニック院長)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

gomi-200px

五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」の一覧を見る

最新記事