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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

口臭の悩み(中)ニオイをなくす方法

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ガーゼで舌をブラッシング

 口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」があります。1万人を対象としたある調査によると、自分の口臭が気になった経験のある人は80%以上にもなりました。そのうちの多くは、だれにでも起こりうる生理的な口臭なのに、「自分だけでは?」と気にしているのではないでしょうか。

口臭の悩み(中) ニオイをなくす方法

 前回お話ししたように、生理的口臭の2大原因は、「 舌苔ぜったい の増加」と「唾液の減少」です。そのため、口臭予防の第一歩は「舌苔ケア」になります。朝、歯磨きをするときに、同時に「舌磨き」もして舌苔を取り除きましょう。専用のブラシも市販されていますが、ガーゼを指に巻いて舌の表面を軽くブラッシングするだけでも、十分取れます。スプーンの丸い縁でそっと こす ってもよいでしょう。擦る目安は、舌がピンク色になるくらいまでです。

 胃腸が弱い時は厚くこびりついていて全ては取り除けませんので、白い部分が少し残るくらいにします。強く擦りすぎると、味覚を感知する「味らい」という器官を傷つけるので注意しましょう。

 舌苔ケアのあとは、よくうがいをします。水にレモン汁とはちみつを入れた「はちみつレモン水」でうがいをすると、より効果的です。朝食時にキウイフルーツを舌の上で転がすようにして食べるのも、舌苔の除去に効果があります。キウイフルーツに含まれるアクチニジンという酵素が舌苔を分解してくれるからです。

沈黙は「金」ではなく「禁」

 次に、唾液の分泌を促して、口の乾燥を予防します。もっとも簡単な方法は、「おしゃべり」です。口は動かせば動かすほど唾液の分泌が盛んになります。口臭で悩んでいる人は口を閉じて無口になる傾向がありますが、口臭に関しては、沈黙は「金」ではなく、禁止の「禁」と銘じてくださいね。逆に、いつも口をぽかーんと開けて口呼吸するのも、口に中が乾燥してしまいますから「禁」ですよ。

 唾液の分泌を活発にするには、「口の体操」が有効です。まずは「発音練習」。「パ・ピ・プ・ぺ・ポ」や「パ・タ・カ・ラ」を、声を出して繰り返します。さらに「舌の運動」をして、舌下腺からの唾液の分泌を促します。舌を口の前に大きく出し入れしたり、出した舌を左右と上下に唇をなめるように数回動かしたりします。また、ほおを膨らませたりへこませたりすると、 顎下がっかせん からの唾液の分泌が増えます。奥歯の上あたりに指を当てて、後ろから前にマッサージをすると耳下腺からの分泌が増えます。

 この「お口の体操」を朝食の前にすると、口臭予防だけでなく、食事がおいしく食べられますし、高齢者は えん の予防にもなります。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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