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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

コラム

口臭の悩み(上)このニオイの原因は何?

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口内や内臓の病気が潜む場合も

 病気が原因でおこる「病的口臭」もあります。病的口臭には、 口腔こうくう 内が原因のものと、内臓器官の病気に起因するものがあります。

 口の中の病気で最も多いのは、虫歯と歯周病です。虫歯になると、たんぱく質を分解する酵素を出す細菌が歯の中に棲み付き、硫化水素やメチルメルカプタンなどの特有のニオイを発生させます。特に歯茎の下の歯根部まで侵されてしまうと、より強い 硫黄いおう のような悪臭を常時放つようになります。

 歯周病のときもニオイは強くなります。歯周病になると、歯と歯茎の間に 歯垢しこう がたまりやすく、そこに細菌が棲み付きニオイを出します。症状が進んで出血しやすくなると、腐敗した血液も魚の血合いのようなニオイの原因となります。

生臭さ、腐臭……ニオイは健康のバロメーター

 次に、内臓疾患が原因で発生する場合です。タマゴの腐ったようなニオイがするときは、胃腸の病気が疑われます。食べ物が腸内で異常発酵をおこし、これらのニオイ成分が血管を通って肺に送られ、呼気とともに出てくるのです。胃腸の中のニオイが逆流し、口から出ることもあると言われています。

 アンモニア臭やかび臭い口臭は、肝臓や腎臓に問題があることもあります。糖尿病によって体内にケトン体という物質が増えると、甘酸っぱい、果物が腐ったようなニオイになります。

 肺の病気のときには生臭いニオイ、 蓄膿ちくのう 症のときには肉の腐ったニオイ、トリメチルアミン尿症(魚臭症候群)という病気のときには魚の腐ったニオイがします。また、がんのときには、人間の鼻では嗅げないようなニオイを、訓練された犬や「線虫」という虫が嗅ぐことができることが分かっていて、がんの特定や早期発見への応用が期待されています。

 口臭に気づいたら、それは病気のシグナルかもしれません。ニオイの強さの変化が、病気のバロメーターになることもありますから、あなたや家族の健康に関する貴重な情報なのです。

 ニオイの原因をはっきりさせた上で、次回は「口臭の具体的対策法」をお話ししましょう。(五味常明 五味クリニック院長)

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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