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着床前検査(3)長女がダウン症 悩んだ末

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 「産みますか。それともあきらめますか……」

 川崎市の会社員C子さん(42)は2008年、究極の選択を迫られた。

 妊娠17週に産婦人科の病院で受けた羊水検査で、おなかの赤ちゃんにダウン症があると診断されたからだ。「赤ちゃんの顔が見える」と楽しみに受けた妊婦健診のエコー検査で、思いも寄らぬダウン症の疑いを指摘されたのがきっかけだった。

 C子さんには、07年に出産したダウン症の長女(10)がいる。出産直後は「障害のある子を育てられるか」と不安もあったが、愛くるしい寝顔を見ると、生まれてくれたことがうれしかった。障害のある長女が幸せな人生を送れること。それが夫婦の生きる目標になった。それだけに、次は、自分たち親亡き後、長女が困った時に助けてくれる子がほしいと思っていた。

 おなかを蹴るなど胎動はすでに感じていた。C子さんは悩んだ末、赤ちゃんはあきらめることにした。「ダウン症のある子2人を育てる自信をもてなかった」と振り返る。

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