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着床前検査(2)年齢上がると効果疑問

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 「子宮に戻せる受精卵ではありませんでした」

 東京都のB子さん(44)は2016年7月、大谷レディスクリニック(神戸市)院長の大谷 徹郎てつお さんから着床前スクリーニング(PGS)の結果を聞き、肩を落とした。残念な知らせは4回目だ。

 PGSは、体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す技術だ。

 40歳を過ぎ、卵巣の機能が低下していたB子さんは、採卵しても卵子は一つしか取れなかった。それを夫の精子と体外受精させた受精卵を凍結。PGSで検査したが、染色体に異常があった。これより前に行った3回のPGSでも、計5個の受精卵を調べたが、いずれも染色体に異常が見つかり、子宮に戻せなかった。

 B子さんは30歳で結婚。夫婦共に正社員として忙しく働いてきた。なかなか赤ちゃんに恵まれず、35歳で不妊治療を開始。体外受精によって妊娠したこともあったが、38歳と41歳の時に計3回流産した。スーパーで幸せそうな親子をみるとやるせない思いが募った。

 B子さんは、42歳になった15年から2年間、PGSを行っているとインターネットで知った同クリニックに夜行バスで通い続けたが、努力は実らなかった。

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