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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

コラム

イケメンは臭わない!?

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体臭は「ビジネスに影響」

 「強い体臭はビジネスシーンにおいて身だしなみの印象に影響しますか?」

 ある企業が1000人のビジネスパーソンを対象として実施したアンケートで、9割近くが「影響する」と答えています。目に見えないニオイが、視覚的な「身だしなみ」に対する印象を左右するのですね。一般的に第一印象とは、服装の清潔感や笑顔、声のトーンなど、視覚や聴覚に訴えるものですが、どうやら「第一嗅覚印象」といったものもあるようです。

 嗅覚は、脳の記憶や感情をつかさどる大脳辺縁系と深く結びついてます。そのために、ニオイの印象が、そのまま好き嫌いなどの感情に直結する傾向があるといいます。

 前々回で、体臭で悩む人は、まじめで思いやりの気持ちがある人が多いと書きました。しかし、誠実な心よりもニオイのほうが第一印象に影響するとなれば、「たかが体臭」とたかをくくっていられません。ニオイを上手にコントロールして、「くさいニオイ」を「いい匂い」に変えることは、ビジネスに限らず、良好な人間関係を築くうえで有効なスキルになるでしょう。

「中高年がクサい」は見た目のせい?

 これとは逆方向の実験も行われています。中高年の男性が穿いた靴下と20代の男性の穿いた靴下のそれぞれを示して女性にいでもらい、どちらが臭うかを判定してもらったのです。結果、ほとんどの女性が、中高年男性の穿いた靴下を「クサい」とジャッジしました。ところが……。

 実際にセンサーで測定すると、なんと20代男性が穿いた靴下のニオイ数値のほうが高かったのです。さらに別の実験では、同人数の中高年男性グループと若い男性グループに、別々の部屋に入ってもらい、目隠しをした女性に部屋のニオイを嗅いでもらいました。すると、若い男性の部屋を中高年の男性の部屋だと思った人の方が多かったのです。どうやら、見かけの印象が、嗅覚を左右することもあるようなのです。

肥満とスリム

 そもそも嗅覚は、聴覚や視覚より曖昧あいまいです。ニオイにはカラーチャートも音階もありません。AのニオイとBのニオイを区切る境目がないのです。そのためにニオイ以外の感覚の影響を被りやすいのです。つまり、ある人の体臭への印象は、その人の体臭以外のイメージで決まることも多い。このことを私は「イメージ臭」と呼んでいます。ですからニオイの好感度を上げて印象を良くしようと思うならば、ニオイ以外でも自分のイメージを高めることが必要なのです。そこで今回の表題は「イケメンは臭わない!?」としてみましたが、イケメンの定義に個人差がありますので、これはまだ未検証。皆さんの周りをご覧になってみて、いかがでしょうか? 

ニオイは夫婦関係も映す

 イメージ臭を左右するものは視覚だけではありません。人間関係にも影響されるのです。

 「夫の加齢臭がどうしても気になる」と、ご夫婦で来院されたケース。診察しても、特別なニオイはありません。奥さまにうかがうと、ご主人が現役でバリバリ働いていた頃は何も感じなかったのが、定年退職してご自宅で過ごすようになってからニオイが気になり始めたのだそうです。おそらく奥さまにとって、夫が家でぶらぶらしていること自体が、例えは悪いのですが、粗大ごみのように鼻についたのかもしれません。読者の皆さんも、奥さまからニオイを指摘されたら、それは夫婦関係を見直すよい機会と前向きにとらえましょう。

 体臭は、生きている限り誰にもあるもの、避けられないものです。お互いさまの「生活臭」です。ことさら気にするのではなく、無頓着にもならず、良好な人間関係を築きながら、バランスよく「ニオイのエチケット」を心がけることです。次回からは、さまざまなニオイについて説明しながら、生活の中でできる対処法をお話ししましょう。(五味常明 五味クリニック院長)

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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