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新型の血糖測定器、指先に針を刺す採血が不要に…9月に保険適用

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新型の血糖測定器、指先に針を刺す採血が不要に…9月に保険適用

 血糖をコントロールするインスリンが、 膵臓すいぞう から十分に分泌されないために起こる1型糖尿病。患者は、血糖値の変動に応じたインスリン投与が必要だが、東京都の香川由美さん(36)は、9月に保険適用された新しい血糖測定器を使っている。採血が不要で、常時、血糖の状況を把握できる。

(赤津良太)

服の上からでも測定、血糖の変動示す機能も

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 薬で血糖値を下げる治療は、インスリン注射で行うが、急な血糖の変化でタイミングが合わず、低血糖の症状が表れることがある。主な理由としては、〈1〉食事の量が少なかった〈2〉運動量が多かった〈3〉インスリンを打つ時間がずれた――などがある。

 低血糖になると、だるさや脱力感、発汗、手指のふるえ、 動悸どうき などの症状が出る。 昏睡こんすい 状態に陥り、自動車運転中に大事故につながったケースもある。外出の機会が多い患者は、低血糖への不安が大きい。

 香川さんは、朝起きた時に体がだるく、何もする気になれないことがあった。「フリースタイル・リブレ」という新しいタイプの血糖測定器を使い始めたところ、寝ている間に数値が大きく下がっていたことがわかった。主治医に相談し、インスリンの量を調整すると、症状は出なくなった。

 血糖の変動を把握するには、食前、食後、就寝前などに指先に針を刺して採血し、血糖測定器で測るのが一般的だ。しかし、針を刺す痛みや人前で行う抵抗感を訴える患者も多い。

 新タイプの測定器は、腕に貼り付けた500円玉大のセンサーに読み取り機をかざすと、直近の血糖値が表示される。「使い方が簡単で、受診の判断材料にもなる」と香川さん。いつでも使え、服の上からも測れるので周囲の目も気にならない。入浴や水泳の時もセンサーを外す必要はない。

 血糖値が上がっているのか、下がっているのかを表示する機能もある。上がっている場合はインスリンを補充し、下がっている時はブドウ糖を補うなど、この機能が必要な対応をする参考になる。

あくまで採血による測定の「補助」

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 ただし、測っているのは血糖値そのものではなく、皮膚の下の間質液に含まれるブドウ糖濃度。これを独自のシステムで補正し、実測値に近いデータを推計している。あくまで採血による血糖測定を「補助」する医療器具だ。

 国立病院機構京都医療センター糖尿病センター医師の村田敬さんは、「新しいタイプの測定器で実際より高い値が出た場合、それを基にインスリンを増やすと低血糖を起こす恐れがある。インスリンを増減する前には必ず採血し、実際の血糖値を確認してほしい」と注意を促す。

 血糖の変動を知る測定器はすでにあったが、リブレは採血の手間がなく、測定値の確認も簡単なため、使う患者が増えている。インスリン注射で治療していれば、生活習慣が主な原因の2型糖尿病でも使うことができる。費用は原則として、従来の血糖測定器を使用した場合と変わらない。

 香川さんの主治医で、東京慈恵会医科大学准教授の西村 理明りめい さんは、「こまめな血糖測定ができれば、低血糖のリスクは下がる。それぞれの測定器の特徴をよく理解して、良好な血糖コントロールをすることが大切」と話している。

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