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糖尿病治療のいま(4)減量手術 胃の大半切除

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 埼玉県のB男さん(43)は身長1メートル74、体重75キロ・グラム。かつては120キロ・グラムを超え、 HbA1cヘモグロビンエーワンシー は最高14・8%。今は7・1%と大きく改善し、糖尿病の薬は錠剤を毎朝一つ飲むだけ。昨年10月に受けた「減量手術」の成果という。

 この手術は、胃を切って小さくし、食事の量を大幅に制限する治療だ。減量のほか、糖尿病や高血圧、脂質異常などの改善効果も大きい。手術法は複数あるが、保険が使えるのは「 腹腔ふくくう 鏡下スリーブ状胃切除術」だけで、BMI(体格指数)35以上が条件となる。

 主治医で四谷メディカルキューブ(東京都千代田区)の笠間和典さんは、「糖尿病は内科治療だけと思われているが、海外では減量手術は一般的」と語る。減量手術による糖尿病の治癒率は66%で、「治癒に至らない場合でも明らかな改善がみられる」と笠間さん。B男さんも、その一人だ。

 この手術法は、胃の約8割を切り取り、バナナのように細く残すのが特徴。大きさは100~150ミリ・リットルほど。食べられる量が減り、体重が減少する。肥満が原因で悪くなっていたインスリンの効き目が元に戻り、血糖値も下がる。

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