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ヨミドクターセミナー「減塩のすすめ~できることから少しずつ」

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減塩のすすめ~できることから少しずつ(下)個人としてできること、社会としてすべきこと

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主食の重ね食べに注意を

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減塩のために個人としてできることを説明する武見教授(11月16日、読売新聞東京本社で)=高梨義之撮影

 どのような食行動の人が食塩を多く取っているのでしょうか。新潟県の20~79歳の700人の食行動と食塩の摂取量の関係を調べた新潟県立大の堀川、村山先生らの調査があります。食塩摂取が多いのは、満腹まで食べる人やご飯とうどんとか、パスタとパンとか主食の重ね食べが多い人がそうです。主食に味がついていると薄味でも量が多いので食塩の量は増えます。それから丼もの、カレーライス、麺類が多い人。煮物や漬物の品数が多い人や魚卵の摂取回数が多い人も食塩が増えます。あとは麺類の汁を飲む人や外食が多い人ですね。

 次に食塩の供給源のデータをお示しします。しょうゆ、塩、みそなど調味料が男女ともに6割になります。減塩が必要だということで、しょうゆや塩、みそは減ってきていますが、逆に増えているのが濃い青の「その他調味料」です。ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、ソースなどオーソドックスなものに加えて、韓国のコチュジャンやタイのナンプラーとかいろいろな調味料があります。食卓が豊かになっていいのですが、知らず知らずのうちに食塩の量が増えることにつながります。

 また、かまぼこや干物などの魚介加工品や肉加工品、麺、パンを意識して減らすことも大切で、いわゆる減塩食品を上手に使っていくことも必要になってくると思います。調味料やかまぼこ、ラーメンなどいろいろ出ています。今の減塩食品は結構おいしくて、「えっ本当に塩が減っているの!」と感じるものもあります。

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 減塩のために個人としてできることをまとめます。

  ■料理の調味に工夫

 汁物の時には減塩で具だくさんにしましょう。野菜からはグルタミン酸、キノコからはグアニル酸といううまみ成分が出てきます。カロリーを抑えるためノンオイルドレッシングを使っている方も多いと思いますが、実はノンオイルは意外と塩分が多くなります。油があることによって味が薄くてもおいしく感じます。揚げたての天ぷらは何もつけなくてもおいしいでしょう。ある程度の年齢の方は思っているほど油は取っていないものです。植物性オイルを適度に使うのは問題ありません。塩を減らして酸味、辛味をつける方法もあります。減塩調味料も上手に活用してください。

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会場に展示された様々な減塩食品を見る来場者

  ■1食の食事としての工夫

 すべてを薄味にすると間が抜けてしまうので、メリハリをつけて、しっかり味をつけた料理を一品入れておくとおいしくお食事ができます。量が多いものだと食塩が増えてしまうので、少なめな小鉢ものとかがいいでしょう。

  ■主食の重ね食べは避ける

 味つきのご飯、パンや麺など塩分が入っている主食は、量が多いので、どうしても食塩が多くなります。

  ■食材の質にこだわり、素材の味を楽しもう

 調味をしなくてもおいしい食材ってありませんか。トマトもそうですね。旬のレンコンを焼いたものも調味料なしでもおいしい。食材の味を楽しむことが大事です。それには喫煙者はまずたばこをおやめになることです。たばこを吸っていると 味蕾(みらい) 細胞という味を感じる機能が低下するので、喫煙者は濃い味を好みます。たばこをやめると食べ物の味がわかっておいしく感じます。

  ■自分の食事の中で、食塩の供給源は何か見直してみる

 調味料をどれくらいとっているのか、加工品が多いのか。とっている品数を数えてみるだけで意外と多いということもあると思います。見直してみてください。

  ■食べすぎない

 基本的には腹八分、食べすぎないことが減塩のポイントです。

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